今日は、令和1年度 第32問について解説します。
換気設備等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① 自然換気は、換気扇や送風機等を利用しない方式であるため、建物内外の自然条件によっては、安定した換気量や換気圧力を期待することはできない。
② 給気側にファンを用いて、給気口と組み合わせて用いる方式では、室内は負圧になる。
③ 給気、排気ともに機械換気とする方式は、居室に用いられる熱交換型換気設備や機械室、電気室等に採用される。
④ シックハウス症候群は、建材や家具、日用品から発散する揮発性有機化合物等が原因となって引き起こされる。
解説
換気設備に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
自然換気は、換気扇や送風機等を利用しない方式であるため、建物内外の自然条件によっては、安定した換気量や換気圧力を期待することはできない。
〇適切です。
自然換気は、室内と室外の温度差による対流や風圧など、自然の条件を利用した換気方式です。
換気扇や送風機などの機械を使用しないため、騒音がなく経済的ですが、建物内外の自然条件に左右されやすく、安定した換気量や換気圧力を期待することはできません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
給気側にファンを用いて、給気口と組み合わせて用いる方式では、室内は負圧になる。
×不適切です
給気側のみにファンを設け、排気は機械のない排気口で行う方式で室内へ清浄な空気を供給することを第2種換気と言います。
外気をファンを用いて強制的に室内に取り込むため、室内は正圧となります。
つまり、給気側にファンを用いて、給気口と組み合わせて用いる方式では、室内は正圧になります。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
給気、排気ともに機械換気とする方式は、居室に用いられる熱交換型換気設備や機械室、電気室等に採用される。
〇適切です。
選択肢の説明の通り、給気、排気ともに機械換気とする方式は、居室に用いられる熱交換型換気設備や機械室、電気室等に採用されるので、この選択肢は適切です。
なお、給気、排気ともに機械換気とする方式を第1種換気といいます。
選択肢 ④
シックハウス症候群は、建材や家具、日用品から発散する揮発性有機化合物等が原因となって引き起こされる。
〇適切です。
選択肢の説明の通り、シックハウス症候群は、建材や家具、日用品から発散する揮発性有機化合物等(トルエン、キシレン等)が原因となって引き起こされますので、この選択肢は適切です。
なお、シックハウスの原因となる揮発性有機化合物の除去対策として、24 時間稼働する機械換気設備の設置が建築基準法により義務付けられています。
以上から、正解は選択肢②となります。
ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
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