今日は、令和1年度 第21問について解説します。

令和1年度賃貸不動産経営管理士試験 第21

原状回復に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 

ア  「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「ガイドライン」という。)では、家具を設置したことだけによる床、カーペットのへこみ、設置跡については、貸主負担とすることが妥当とされている。


イ  ガイドラインでは、戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草について、草取りが適切に行われていない場合は、借主に責任があると判断される場合が多いとされている。


ウ  ガイドラインでは、鍵の取替えについて、破損や鍵紛失という事情のない場合は、入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、貸主負担とすることが妥当とされている。


エ  ガイドラインでは、エアコンの内部洗浄について、喫煙等による臭い等が付着していない限り、貸主負担とすることが妥当とされている。

1  1つ

2  2つ

3  3つ

4  4つ

 

 

 

解説

原状回復ガイドラインに関する問題です。

 

それではさっそく選択肢を確認しましょう。

 


選択肢 ア

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「ガイドライン」という。)では、家具を設置したことだけによる床、カーペットのへこみ、設置跡については、貸主負担とすることが妥当とされている。

 

〇適切です。

家具を設置したことだけによる床、カーペットのへこみ、設置跡については、通常損耗の範囲内と考えられるため、これらの修繕を行う場合は貸主の負担となります。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 

一方、借主の過失によるシミ・カビ・サビの跡、色落ちなどは、故意・過失、善管注意義務違反に該当すると判断されるため、借主が毀損部分の補修を行う義務があります。

 


選択肢 イ

ガイドラインでは、戸建賃貸住宅の庭に生い茂った雑草について、草取りが適切に行われていない場合は、借主に責任があると判断される場合が多いとされている。

 

〇適切です。

草取りが適切に行われず、庭や敷地内に雑草が生い茂った場合は、借主の善管注意義務違反に該当すると判断されるため、原状回復費用は借主の負担となります。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ウ

ガイドラインでは、鍵の取替えについて、破損や鍵紛失という事情のない場合は、入居者の入れ替わりによる物件管理上の問題であり、貸主負担とすることが妥当とされている。

 

〇適切です。

破損や紛失がない場合に鍵の取替えを行うのは、物件管理上必要となるため行われるものであり、貸主の負担となります。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 

一方で、借主が鍵を紛失・破損したことにより鍵の取替えが必要となる場合は、借主の負担となります。

鍵を紛失した場合はシリンダー交換費用を負担することになります。

なお、この場合経過年数は考慮せず、交換費用相当分を全額貸主負担とします。

 


選択肢 エ

ガイドラインでは、エアコンの内部洗浄について、喫煙等による臭い等が付着していない限り、貸主負担とすることが妥当とされている。

 

〇適切です。

エアコンの内部清掃は、通常の生活において必ず行うとまでは言い切れず、借主の管理の範囲を超えているため、貸主の負担となります。

選択肢の説明の通り、喫煙等による臭い等が付着していない限り、貸主の負担となりますので、この選択肢は適切です。

 

なお、クリーニングに関しては、耐用年数は考慮しません。

借主が通常の清掃を実施していない場合、汚損の程度に応じて、部位または住戸全体の清掃費用相当分を借主が全額負担することになります。

 


 

以上から、適切な選択肢はア、イ、ウ、エの4つですので、正解は選択肢④となります。

 

 

 

 

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