今日は、令和4年度 第42問について解説します。
★出題テーマ【宅建業法-媒介】★
宅地建物取引業者Aが、B所有の宅地売却を依頼され、専属専任媒介契約(以下「本件媒介契約」)を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
① AはBに対して、契約の相手方を探索するために行った措置など本件媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。
② AがBに対し当該宅地の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないが、根拠の明示は口頭でも書面を用いてもどちらでもよい。
③ 本件媒介契約の有効期間について、あらかじめBからの書面による申出があるときは、3か月を超える期間を定めることができる。
④ Aは所定の事項を指定流通機構に登録した場合、Bから引渡しの依頼がなければ、その登録を証する書面をBに引き渡さなくてもよい。
解説
媒介契約に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
AはBに対して、契約の相手方を探索するために行った措置など本件媒介契約に係る業務の処理状況を2週間に1回以上報告しなければならない。
×不適切です。
専属専任媒介契約では、業務の処理状況は1週間に1回以上報告しなければならないとされています。
なお、業務の処理状況の報告頻度が2週間に1回以上と義務付けられているのは、専任媒介契約の場合です。
つまり、(専属専任媒介契約をしている)AはBに対して、契約の相手方を探索するために行った措置など本件媒介契約に係る業務の処理状況を1週間に1回以上報告しなければなりません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢だけを読むと迷ってしまうかもしれない問題ですね。
ぜひ問題文もしっかり読む癖をつけていただければと思います。
選択肢 ②
AがBに対し当該宅地の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないが、根拠の明示は口頭でも書面を用いてもどちらでもよい。
〇適切です。
宅建業者は、媒介する宅地や建物について、売買すべき価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないとされています。
なお、その根拠の明示の方法については、口頭でも書面でも認められます。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
ちなみに、書面を用いる場合には、不動産の鑑定評価に関する法律に基づく鑑定評価書でないことを明記するとともに、みだりに他の目的に利用することのないよう依頼者に要請することが求められています。(宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方より)
選択肢 ③
本件媒介契約の有効期間について、あらかじめBからの書面による申出があるときは、3か月を超える期間を定めることができる。
×不適切です。
専属専任媒介契約・専任媒介契約の有効期間は3か月以内でなければならず、もしこれより長い期間を定めた場合には、その期間は3か月とみなされることになります。
依頼者からの申出がある場合でも、3か月を超える期間を定めることはできません。
つまり、本件媒介契約の有効期間について、あらかじめBからの書面による申出があったとしても、3か月を超える期間を定めることはできません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
Aは所定の事項を指定流通機構に登録した場合、Bから引渡しの依頼がなければ、その登録を証する書面をBに引き渡さなくてもよい。
×不適切です。
宅建業者は、専属専任媒介契約・専任媒介契約を締結した場合、媒介する物件についての一定事項を、指定流通機構に登録する必要があり、登録したときは、登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならないとされています。
依頼者からの要望の有無に関係なく、引き渡すことが義務付けられています。
つまり、Aは所定の事項を指定流通機構に登録した場合、Bから引渡しの依頼の有無にかかわらず、その登録を証する書面をBに引き渡さなくてはいけません。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢④となります。
媒介契約書面について、一定の要件を満たす場合には、電磁的方法により提供することも認められています。
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