今日は、宅地建物取引士試験 令和3年度(12月) 第34問について解説します。

令和2年度と3年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置として、受験者分散の目的で10月と12月の2回試験が実施されました。

 

★出題テーマ【宅建業法-宅建業の基本用語】★

令和3年度(12月)宅地建物取引士試験 第34

宅地、建物に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

①  宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいい、道路、公園、河川、広場及び水路に供せられているものは宅地には当たらない。

②  建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない。

③  建物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものをいうが、学校、病院、官公庁施設等の公共的な施設は建物には当たらない。

④  宅地とは、現に建物の敷地に供せられている土地をいい、その地目、現況によって宅地に当たるか否かを判断する。

 

 

 

解説

宅建業の基本用語(宅地・建物)に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。

 


選択肢 ①

宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいい、道路、公園、河川、広場及び水路に供せられているものは宅地には当たらない。

 

〇適切です。

宅建業法における宅地は、「建物の敷地に供せられる土地」であると定義されています。

用途地域が指定されている用途地域内では、建物の敷地に供する土地以外でも、原則として宅地として扱われますが、現に道路、河川、水路、公園、広場の公共の用に供されている施設の敷地は例外で、宅地として扱われません。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ②

建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない

 

×不適切です。

宅地建物取引業とは、宅地や建物の取引(売買、交換、貸借)を業として行うことを指します。

マンションやアパートの一室など「建物の一部」に該当するものも、宅建業法上は「建物」として扱われ、規制の対象となります。

つまり、建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に該当します。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

建物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものをいうが、学校、病院、官公庁施設等の公共的な施設は建物には当たらない

 

×不適切です。

建築基準法では、建築物は「土地に定着する工作物のうち、屋根および柱または壁を有するもの」と定義されており、宅建業法における建物は、概ね建築基準法に規定される建築物のことを指しています。

一般的な住宅はもちろん、学校、病院、官公庁施設なども建物として扱われます。

つまり、建物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものをいいますが、学校、病院、官公庁施設等の公共的な施設についても建物に該当します。よってこの選択肢は不適切です

 


選択肢 ④

宅地とは、現に建物の敷地に供せられている土地をいい、その地目、現況によって宅地に当たるか否かを判断する

 

×不適切です。

宅建業法上の宅地とは、登記簿上の地目や現況にかかわらず、広く建物の敷地として利用されることを目的として取引の対象とされる土地のことをいいます。

例えば、登記記録上の地目と現況が「田」であっても、建物の敷地に供する土地であれば宅地として扱われます。

つまり、宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいい、その地目、現況にかかわらず、建物の敷地として利用されることを目的として取引されるかどうかによって宅地に当たるか否かを判断します。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢①となります。

 

 

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