今日は、宅地建物取引士試験 令和3年度(10月) 第32問について解説します。

令和2年度と3年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置として、受験者分散の目的で10月と12月の2回試験が実施されました。

 

★出題テーマ【宅建業法-宅建業の基本用語】★

令和3年度(10月)宅地建物取引士試験 第32

宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、いずれの場合も、その行為を業として営むものとする。

 

①  A社が、都市計画法に規定する用途地域外の土地であって、ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介しようとする場合、免許は必要ない。

 

②  B社が、土地区画整理事業の換地処分により取得した換地を住宅用地として分譲しようとする場合、免許は必要ない。

 

③  農業協同組合Cが、組合員が所有する宅地の売却の代理をする場合、免許は必要ない。

 

④  D社が、地方公共団体が定住促進策としてその所有する土地について住宅を建築しようとする個人に売却する取引の媒介をしようとする場合、免許は必要ない。

 

 

 

解説

宅建業の基本用語に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。

 


選択肢 ①

A社が、都市計画法に規定する用途地域外の土地であって、ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介しようとする場合、免許は必要ない。

 

〇適切です。

都市計画法に基づく用途地域内の土地や、用途地域外でも建物の敷地に供される土地は、原則宅地として扱われます。

土地に自立して設置されたソーラーパネルのように、屋内的な要素がなく人が立ち入ることがない工作物の設置を目的とした土地は、宅地として扱われません。

選択肢の説明の通り、用途地域外の土地であって、ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介しようとする場合には免許は不要ですので、この選択肢は適切です。

 


選択肢 ②

B社が、土地区画整理事業の換地処分により取得した換地を住宅用地として分譲しようとする場合、免許は必要ない

 

×不適切です。

換地処分とは、土地区画整理事業によって整理された土地の所有者に、新たに整理された土地を割り当てる手続きのことをいいます。

換地処分によって取得した土地を、住宅用地として分譲することは、宅地建物取引業に該当しますので免許が必要です。

つまり、B社が、土地区画整理事業の換地処分により取得した換地を住宅用地として分譲しようとする場合、免許が必要です。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ③

農業協同組合Cが、組合員が所有する宅地の売却の代理をする場合、免許は必要ない

 

×不適切です。

宅地建物取引業法上、宅地の売買や代理行為は宅地建物取引業に該当します。

農業協同組合が組合員の宅地の売却を代理する行為も、不特定かつ多数を相手に反復または継続して行うと考えられるため、業として行うものに該当します。

また、農業協同組合に対して、宅建業法の免許規定が免除される特例はありません。

つまり、農業協同組合Cが、組合員が所有する宅地の売却の代理をする場合、免許が必要です。よってこの選択肢は不適切です。

 


選択肢 ④

D社が、地方公共団体が定住促進策としてその所有する土地について住宅を建築しようとする個人に売却する取引の媒介をしようとする場合、免許は必要ない

 

×不適切です。

地方公共団体が直接取引を行う場合、宅地建物取引業法の規定が適用されないため、免許は不要です。

しかし、地方公共団体から代理や媒介を委任された業者については、宅地建物取引業法の適用されるため、免許が必要となります。

つまり、D社が、地方公共団体が定住促進策としてその所有する土地について住宅を建築しようとする個人に売却する取引の媒介をしようとする場合、免許は必要です。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

以上から、正解は選択肢①となります。

 

 

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