今日は、宅地建物取引士試験 令和3年度(10月) 第9問について解説します。
令和2年度と3年度は、新型コロナウイルスの感染拡大防止措置として、受験者分散の目的で10月と12月の2回試験が実施されました。
★出題テーマ【権利関係-相続】★
Aには死亡した夫Bとの間に子Cがおり、Dには離婚した前妻Eとの間に子F及び子Gがいます。Fの親権はEが有しており、Gの親権はDが有しています。AとDが婚姻した後、Dが死亡した場合における法定相続分について、民法の規定に基づいて正しいものを選びなさい。
① Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1
② Aが2分の1、Cが6分の1、Fが6分の1、Gが6分の1
③ Aが2分の1、Gが2分の1
④ Aが2分の1、Cが4分の1、Gが4分の1
解説
相続に関する問題です。
登場人物が多いので、以下に整理します。
===
A(妻)、B(死亡)、C(AとBの子)
D(Aの新しい夫、その後死亡)、E(Dの前妻)、F(DとEの子、親権はE)、G(DとEの子、親権はD)
Dが死亡した場合に相続人になるのは:妻であるA、Dの子供であるFとGです。
なおCは、Dとは親子関係にないため、Dの相続人とはなりません。
(AとDが再婚した際などに養子縁組をしている場合は別ですが、そのような記述はないので、養子縁組はしていないという前提です。)
また、離婚しているEは相続人とはなりません。
===
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1
〇適切です。
配偶者の法定相続分は2分の1、子の法定相続分は全員で2分の1です。
AはDの配偶者ですので法定相続分は2分の1であり、Dの子として相続するのはFとGの2人なので、4分の1ずつとなります。
選択肢の通り、法定相続分はAが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1です。
選択肢 ②
Aが2分の1、Cが6分の1、Fが6分の1、Gが6分の1
×不適切です。
CはAとBの子供であり、養子縁組などをしていない場合はDの法定相続人とはなりません。
つまり、Aが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1です。また、Cは相続人とはなりません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
Aが2分の1、Gが2分の1
×不適切です。
Dの子であるFは、親権はDにありませんが、親権の有無は相続に関係しません。FもDの子として相続します。
つまり、Aが2分の1、GおよびFが相続人となりますので、GとFが4分の1ずつ相続します。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ④
Aが2分の1、Cが4分の1、Gが4分の1
×不適切です。
CはAとBの子供であり、養子縁組などをしていない場合はDの法定相続人とはなりません。
また、Dの子であるFは、親権はDにありませんが、親権の有無は相続に関係しません。FもDの子として相続します。
よってAが2分の1、Fが4分の1、Gが4分の1です。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
一目でわかる!覚えてしまう!「宅地建物取引士 一発合格まとめシート」は、2025年秋に発売予定です!
好評発売中の「賃貸不動産経営管理士 一発合格まとめシート」は、ここから立ち読みできますので、ぜひ試してみてくださいね。
2024年度版 一発合格まとめシート
好評発売中!