今日は、令和6年度 第50問について解説します。
保険に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
① 建物に関する損害保険の商品は、住居のみに使用している住宅物件、住居部分と店舗や事務所などの部分がある併用住宅物件、事務所、病院、旅館などに使用している一般物件などに分類され保険料が決まっているが、これは建物の用途により火災に対する危険度が異なるためである。
② 損害保険の保険料は、各保険会社がそれぞれ純保険料と付加保険料を計算した上で算出されるが、地震保険の保険料は、損害保険料率算出団体に関する法律に基づき運営されている損害保険料率算出機構が算出した料率(基準料率)が使用されている。
③ 様々な事業経営と同様、賃貸不動産経営にも多くのリスクが存在し、賃貸不動産経営を行う以上はリスクを全て回避することはできず、発生した損害を補償するための一つの手段として損害保険がある。
④ 火災保険において支払われる保険金には損害保険金と費用保険金があり、このうち費用保険金は、建物や家財の直接的な損害に対して支払われるものである。
解説
保険に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
建物に関する損害保険の商品は、住居のみに使用している住宅物件、住居部分と店舗や事務所などの部分がある併用住宅物件、事務所、病院、旅館などに使用している一般物件などに分類され保険料が決まっているが、これは建物の用途により火災に対する危険度が異なるためである。
〇適切です。
保険料は、保険会社が引き受けるリスクの度合いに比例するものです。
建物の用途によって、火災のリスクは異なりますので、住居のみに使用している住宅物件、住居部分と店舗や事務所などの部分がある併用住宅物件、事務所、病院、旅館などに使用している一般物件などに分類されて保険料が決まっています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
損害保険の保険料は、各保険会社がそれぞれ純保険料と付加保険料を計算した上で算出されるが、地震保険の保険料は、損害保険料率算出団体に関する法律に基づき運営されている損害保険料率算出機構が算出した料率(基準料率)が使用されている。
〇適切です。
純保険料とは、保険金の支払いの原資になるものです。また、付加保険料は、保険会社が事業を運営するために必要な費用などのことです。
損害保険の保険料は、純保険料と付加保険料を計算して算出されます。
一方で、地震保険と自賠責保険の保険料は、損害保険料率算出団体に関する法律に基づき運営されている損害保険料率算出機構が算出した料率(基準料率)が使用されています。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
様々な事業経営と同様、賃貸不動産経営にも多くのリスクが存在し、賃貸不動産経営を行う以上はリスクを全て回避することはできず、発生した損害を補償するための一つの手段として損害保険がある。
〇適切です。
賃貸不動産経営には様々なリスクがありますが、リスクを全て回避することはできません。
そこで、損害保険へ加入することにより、発生した損害を補償できる場合がありますので、リスクを一定程度軽減分散することができます。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
火災保険において支払われる保険金には損害保険金と費用保険金があり、このうち費用保険金は、建物や家財の直接的な損害に対して支払われるものである。
×不適切です
火災保険で支払われる保険金には、建物や家財の直接的な損害に対して支払われる損害保険金と、事故の際に発生する費用に対して支払われる費用保険があります。
つまり、火災保険において支払われる保険金には損害保険金と費用保険金があり、このうち損害保険金は、建物や家財の直接的な損害に対して支払われるものです。よってこの選択肢は不適切です。
費用保険金は、一定の範囲内で支払われるもので、例えば火災によって自宅が焼けてしまった際の引っ越し費用や片付け費用などが該当します。
以上から、正解は選択肢④となります。
ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
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