今日は、令和5年度 第29問について解説します。
賃貸住宅管理業者の登録に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
①賃貸住宅管理業を営もうとする者が、賃貸住宅管理業者の登録に際し、営業所で行う管理業務の質を担保するため、１つの営業所に３人の業務管理者を配置することは、賃貸住宅管理業法に定める業務管理者の選任に係る規定に反するものではない。
②賃貸住宅管理業を営もうとする者は、その業に係る賃貸住宅の戸数が２００戸未満の者であっても、賃貸住宅管理業者の登録を受けることが可能であり、登録後に賃貸住宅管理業法の違反行為があった場合は、業務停止等の監督処分や罰則の対象となる。
③賃貸住宅管理業者の登録を受けている法人が合併により消滅したとき、法人を代表する役員であった者は、消滅した日から３０ 日以内に、廃業等届出書を国土交通大臣に届け出なければならない。
④賃貸住宅管理業者の登録の有効期間は５年であり、登録の更新を受けようとする者は、現に受けている登録の有効期間の満了の日の９０日前までに更新の申請を行う必要がある。
解説
賃貸住宅管理業法上の登録制度に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢①
賃貸住宅管理業を営もうとする者が、賃貸住宅管理業者の登録に際し、営業所で行う管理業務の質を担保するため、１つの営業所に３人の業務管理者を配置することは、賃貸住宅管理業法に定める業務管理者の選任に係る規定に反するものではない。
〇適切です。
業務管理者の選任について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに１人以上の業務管理者を選任する必要があります。他の営業所・事務所との兼務はできません。また、他の業務との兼務（宅建士を兼ねるなど）については、管理業務の質を担保できる状態であれば禁止とはされていません。
管理業務の質を担保するために１人より多い業務管理者を選任することは何ら問題がないため、この選択肢は適切です。
選択肢②
賃貸住宅管理業を営もうとする者は、その業に係る賃貸住宅の戸数が２００戸未満の者であっても、賃貸住宅管理業者の登録を受けることが可能であり、登録後に賃貸住宅管理業法の違反行為があった場合は、業務停止等の監督処分や罰則の対象となる。
〇適切です。
賃貸住宅管理業法では、登録制度を設けて、貸主と管理業者、もしくは貸主と特定転貸事業者との関係にルールを定めています。登録制度について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
管理業務を営もうとする者は、国土交通大臣の登録を受ける必要があります。管理戸数が２００戸未満であるときは、登録を受けなくても良いとされていますが、登録を受けることは可能です。なお、登録を受けた場合は、賃貸住宅管理業法上の規制の対象となります。
よってこの選択肢は適切です。
選択肢③
賃貸住宅管理業者の登録を受けている法人が合併により消滅したとき、法人を代表する役員であった者は、消滅した日から３０ 日以内に、廃業等届出書を国土交通大臣に届け出なければならない。
〇適切です。
廃業等の届出について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
法人が合併により消滅したときは、消滅した法人を代表する役員であった者は、その３０日以内に国土交通大臣に届け出る必要があります。
よってこの選択肢は適切です。
選択肢④
賃貸住宅管理業者の登録の有効期間は５年であり、登録の更新を受けようとする者は、現に受けている登録の有効期間の満了の日の９０日前までに更新の申請を行う必要がある。
×不適切です。
登録の更新について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者の登録の有効期間は５年間です。更新する場合は、有効期間満了日の９０日前から３０日前までの間に国土交通大臣に届け出る必要があります。
つまり、賃貸住宅管理業者の登録の有効期間は５年であり、登録の更新を受けようとする者は、現に受けている登録の有効期間の満了の日の９０日前から３０日前までの間に更新の申請を行う必要がある。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢④となります。
登録制度については、賃貸住宅管理業法に定められています。
ぜひ賃貸住宅管理業法に関する関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
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