今日は、令和4年度 第39問について解説します。

令和4年度賃貸不動産経営管理士試験 第39

特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う相手方への説明(以下、各問において「特定賃貸借契約重要事項説明」という。) に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

① 特定賃貸借契約重要事項説明は3年以上の実務経験を有する者によって行わなければならないが、これを満たす従業員がいない場合には、このような実務経験を有する第三者に委託して行わせることができる。

 

② 特定賃貸借契約重要事項説明から特定賃貸借契約の締結までに、1週間以上の期間をおかなければならない。

 

③ 特定賃貸借契約の相手方が賃貸住宅管理業者である場合、特定賃貸借契約重要事項説明は省略してもよい。

 

④ 特定賃貸借契約期間中に、特定賃貸借契約重要事項説明を行うべき事項に変更があった場合は、契約更新時にその旨の説明を行わなければならない。

 

 

 

解説

特定賃貸借契約重要事項説明に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢 ①

特定賃貸借契約重要事項説明は3年以上の実務経験を有する者によって行わなければならないがこれを満たす従業員がいない場合には、このような実務経験を有する第三者に委託して行わせることができる

 

×不適切です。

特重要事項説明を行う義務があるのは特定転貸事業者ですので、原則として第三者に委託することはできません。

また、法律上は説明を行う者に関しての資格や立場等の定めがありません。ただし、適切に説明を行い、貸主に理解してもらうためには、一定の経験や専門的な知識を持っている者が望ましいとされています。

つまり、特定賃貸借契約重要事項説明は一定の経験や専門的な知識を持っている者が望ましいとされており説明義務があるのは特定転貸事業者であるため、原則として第三者に委託することはできません。よってこの選択肢は不適切です。

 


 

選択肢 ②

特定賃貸借契約重要事項説明から特定賃貸借契約の締結までに、1週間以上の期間をおかなければならない

 

×不適切です。

特定賃貸借契約契約締結までの流れについて、まとめシートでは以下の通り解説しています。

重要事項説明から、契約締結までは1週間程度の期間を置くことが望ましいとされています。重要事項説明から契約締結までの期間が短くなってしまう場合には、事前に重要事項説明書等を送付しておき、送付から一定期間後に説明を実施するなどして、貸主が契約締結の判断を行うまでに十分な時間を確保するべきとされています。

法律上の義務ではありませんが、十分な配慮をすることが望まれているということですね。

つまり、特定賃貸借契約重要事項説明から特定賃貸借契約の締結までに、1週間以上の期間をおくことが望ましいとされています。よってこの選択肢は不適切です。


 

選択肢 ③

特定賃貸借契約の相手方が賃貸住宅管理業者である場合、特定賃貸借契約重要事項説明は省略してもよい。

 

〇適切です。

特定転貸事業者は、特定賃貸借契約に関する専門知識および経験を有すると認められるため、貸主が賃貸住宅管理業者の場合は重要事項説明および書面の交付が不要とされています。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。

ちなみに、専門知識および経験を有するとして、重要事項説明を行わなくてもよいものとされているのは、貸主が以下に該当する場合です。

①賃貸住宅管理業者②特定転貸事業者③宅地建物取引業者④特定目的会社⑤組合⑥賃貸住宅に係る信託の受託者(委託者が①~④のいずれかに該当する場合のみ)⑦独立行政法人都市再生機構⑧地方住宅供給公社

 


 

選択肢 ④

特定賃貸借契約期間中に、特定賃貸借契約重要事項説明を行うべき事項に変更があった場合は、契約更新時にその旨の説明を行わなければならない。

 

×不適切です。

特定賃貸借契約重要事項説明事項の内容に変更があったとき、まとめシートでは以下の通り解説しています。

特定賃貸借契約の内容に変更があったときは、変更のあった事項について書面を交付した上で説明する必要があります。説明時期は変更しようとするときなので、更新時ではありません。

つまり、特定賃貸借契約期間中に、特定賃貸借契約重要事項説明を行うべき事項に変更があった場合は、変更しようとするときにその旨の説明を行わなければならなりません。よってこの選択肢は不適切です。


 

以上から、正解は選択肢③となります。

 

特定賃貸借契約に関する問題は、重要事項説明、契約締結時書面、特定賃貸借標準契約書について、例年複数問出題されています。

管理受託契約と同様、超重要テーマであることがわかります。

ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

★関連解説★

特定賃貸借契約(契約締結時書面)(R3年 第36問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R3年 第38問)

特定賃貸借契約(R4年 第35問)

特定賃貸借契約(契約締結時書面)(R4年 第38問)

特定賃貸借契約(重要事項説明)(R4年 第40問)

 

特定賃貸借契約についても、一目でわかる、覚えてしまう「一発合格まとめシート」はここから立ち読みできます。

 

 

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