今日は、令和4年度 第21問について解説します。
管理業法における管理受託契約に基づく管理業務で受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭(以下、本問において「家賃等」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
① 家賃等を管理する口座と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座の分別については、少なくとも、家賃等を管理する口座を同一口座として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座と分別すれば足りる。
② 家賃等を管理する帳簿と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿の分別については、少なくとも、家賃等を管理する帳簿を同一帳簿として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿と分別すれば足りる。
③ 家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に管理報酬分の金額を移し替えることは差し支えない。
④ 賃貸住宅管理業者の固有財産を管理するための口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から家賃等を管理する口座に管理報酬分を控除した金額を移し替えることは差し支えない。
解説
金銭等の分別管理に関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
家賃等を管理する口座と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座の分別については、少なくとも、家賃等を管理する口座を同一口座として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座と分別すれば足りる。
〇適切です。
口座の分別について、まとめシートでは以下の通り解説しています。
賃貸住宅管理業者は、管理業務で受領する家賃等の金銭と、自己の固有財産とを分別して管理しなければなりません。
口座については、少なくとも家賃等を管理する口座と自己の固有財産を管理する口座については、それぞれ分けて管理する必要があります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ②
家賃等を管理する帳簿と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿の分別については、少なくとも、家賃等を管理する帳簿を同一帳簿として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿と分別すれば足りる。
×不適切です。
家賃等を管理する口座については、管理受託契約ごとに金銭の出入を区別した帳簿を作成する等、勘定上においては分別する必要があります。
つまり、家賃等を管理する帳簿と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿の分別については、少なくとも、家賃等を管理する帳簿を管理受託契約ごとに金銭の出入を区別した帳簿を作成する等、勘定上においては分別する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に管理報酬分の金額を移し替えることは差し支えない。
〇適切です。
家賃等を管理する口座に、入居者から家賃等を振り込んでもらうといったようにいったん家賃の全額を預け入れて、その口座から管理業者の口座に管理報酬を移し替えることは問題ありません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
賃貸住宅管理業者の固有財産を管理するための口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から家賃等を管理する口座に管理報酬分を控除した金額を移し替えることは差し支えない。
〇適切です。
管理業者の口座に家賃等を振り込んでもらうといったようにいったん家賃の全額を預け入れて、その口座から家賃等を管理する口座に管理報酬を差し引いた額を移し替えたりすることも問題ありません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢②となります。
賃貸住宅管理業法上の業務の規律については12項目あり、例年テーマを変えて出題されています。
ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。
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