今日は、令和3年度 第30問について解説します。

令和3年度賃貸不動産経営管理士試験 第30

管理業法における管理業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

① 管理業務には、賃貸住宅の居室及びその他の部分について、点検、清掃その他の維持を行い、及び必要な修繕を行うことが含まれる。

 

② 管理業務には、賃貸住宅の維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理を行う業務が含まれるが、当該契約は賃貸人が当事者となるものに限られる。

 

③ 賃貸住宅に係る維持から修繕までを一貫して行う場合であっても、賃貸住宅の居室以外の部分のみについて行うときは、賃貸住宅の維持保全には該当しない。

 

④ 管理業務には、賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を行う業務が含まれるが、維持保全と併せて行うものに限られる。

 

 

 

解説

賃貸住宅管理業法上の管理業務に関する問題です。

 

それではさっそく選択肢をみていきましょう。


 

選択肢 ①

管理業務には、賃貸住宅の居室及びその他の部分について、点検、清掃その他の維持を行い、及び必要な修繕を行うことが含まれる。

 

〇適切です。

賃貸住宅管理業法上の管理業務について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

貸主から委託を受けて行う、居室やその他の部分について、点検、清掃等の維持を行い、必要な修繕を一貫して行うことを維持保全業務といい、管理業法上の管理業務に該当します。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


 

選択肢 ②

管理業務には、賃貸住宅の維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理を行う業務が含まれるが、当該契約は賃貸人が当事者となるものに限られる

 

×不適切です。

管理業務には、賃貸住宅の維持保全に関する契約の媒介、取次ぎ、代理を行う業務が含まれます。

「媒介」は、例えば、貸主と維持・修繕業者の間に契約が成立するように、賃貸住宅管理業者が両者の間に立って各種事務を行う行為が該当します。

「取次ぎ」は、例えば、賃貸住宅管理業者が自己の名をもって貸主のために維持・修繕業者に発注事務等を行う行為が該当します。

「代理」は、例えば、貸主から代理権を付与された賃貸住宅管理業者が、賃貸人の代理人として維持・修繕業者と契約を締結する行為が該当します。

「取次ぎ」の場合、管理業者が契約の当事者になっていますね。

必ずしも賃貸人が賃貸住宅の維持保全に係る契約当事者となる必要はありません

つまり、管理業務には、賃貸住宅の維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理を行う業務が含まれますが、当該契約は賃貸人が当事者となるものに限られません。よってこの選択肢は不適切です。


選択肢 ③

賃貸住宅に係る維持から修繕までを一貫して行う場合であっても、賃貸住宅の居室以外の部分のみについて行うときは、賃貸住宅の維持保全には該当しない。

 

〇適切です。

賃貸住宅の居室以外の部分、例えばエレベーターとします。

エレベーターの点検等を行う業者が、エレベーターだけ維持から修繕までを一貫して行う場合、賃貸住宅の維持保全には該当しません。

このように「部分のみ」維持から修繕までを一貫して行う場合、管理業法上の賃貸住宅の維持保全に該当しません。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


選択肢 ④

管理業務には、賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を行う業務が含まれるが、維持保全と併せて行うものに限られる。

 

〇適切です。

賃貸住宅管理業法上の管理業務(金銭の管理)について、まとめシートでは以下の通り解説しています。

貸主から委託を受けて行う、維持保全業務と併せて行う家賃等の金銭の管理業務は賃貸住宅管理業務ですが、金銭の管理のみ単独で行う場合は、賃貸住宅管理業には該当しません。

選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。


 

以上から、正解は選択肢②となります。

 

 

ぜひ関連解説もあわせてご確認いただければと思います。

 

 

★関連解説★

賃貸住宅管理業法上の賃貸住宅(R3年 第29問)

賃貸住宅管理業(R4年 第33問)

賃貸住宅管理業者の登録(令和5年 第34問)

登録制度(R5年 第29問)

賃貸住宅管理業者の登録(令和5年 第31問)

管理業務の意味(R5年 第32問)

 

 

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