今日は、賃貸不動産経営管理士試験 令和2年度 第38問について解説します。
屋根・外壁のメンテナンスに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
① コンクリート打ち放しでは、コンクリート自体の塩害、中性化、凍害などを点検する必要はない。
② 傾斜屋根(カラーベスト等)の屋根表面の塗膜の劣化による、色あせ、錆、表面温度の上昇などにより、屋根材の割れや漏水などが発生する場合がある。
③ 陸屋根では、落ち葉やごみが樋や排水口(ルーフドレイン)をふさいだりすると防水面を破損しかねず、漏水の原因にもなる。
④ 外壁タイルやモルタル塗りでは、下地のコンクリートや下地モルタルとの付着力が低下すれば、剥落事故につながる。
解説
建物の屋根・外壁などに関する問題です。
それではさっそく選択肢をみていきましょう。
選択肢 ①
コンクリート打ち放しでは、コンクリート自体の塩害、中性化、凍害などを点検する必要はない。
×不適切です。
コンクリート打ち放しの外壁は、コンクリートの塩害、中性化、凍害、鉄筋発錆による爆裂などといった劣化要因にさらされることがあり、定期的な点検が必要です。
つまり、コンクリート打ち放しでは、コンクリート自体の塩害、中性化、凍害などを点検する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
傾斜屋根(カラーベスト等)の屋根表面の塗膜の劣化による、色あせ、錆、表面温度の上昇などにより、屋根材の割れや漏水などが発生する場合がある。
〇適切です。
傾斜屋根は、傾斜のある屋根のことで、勾配屋根とも呼ばれます。
傾斜屋根には、金属屋根、スレート屋根、瓦屋根などがあります。なお、「カラーベスト」というのは、スレート屋根材の代表的な商品名のことです。
表面の塗膜が劣化すると、色あせや錆が生じ、また表面温度が上昇することで屋根材が傷みやすくなります。これにより、ひび割れや漏水が発生することがあるため、定期的な点検や再塗装が必要です。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ③
陸屋根では、落ち葉やごみが樋や排水口(ルーフドレイン)をふさいだりすると防水面を破損しかねず、漏水の原因にもなる。
〇適切です。
陸屋根(ろくやね、りくやね)は、勾配のない屋根です。
勾配がなく平坦なため、土砂や落ち葉、ごみがたまり樋や排水口(ルーフドレイン)がふさがれることがあります。
陸屋根には防水層を施していますが、排水口がふさがれて雨水が溜まってしまうと、防水面を劣化させるため、漏水につながることがあります。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
外壁タイルやモルタル塗りでは、下地のコンクリートや下地モルタルとの付着力が低下すれば、剥落事故につながる。
〇適切です。
外壁タイルやモルタル塗りの場合、時間とともに付着力が低下し、剥がれ落ちる可能性があります。
劣化により外壁タイルなどが建物の躯体から落下することを剥落や欠損といいます。
特に人が通行する場所では、剥落事故を防ぐために定期点検と補修が必要です。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
以上から、正解は選択肢①となります。
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