今日は、経済学のH28 第19問について解説します。
いま、AさんとBさんだけが存在し、それぞれコメと豚肉のみが生産可能な世界を考える。下表は、AさんとBさんが、ある定められた時間Tのすべてを一方の生産に振り向けた場合に生産可能な量を示している。また、下表にもとづく2人の生産可能性フロンティアは、下図にある右下がりの直線のように描けるものとし、AさんとBさんは、自らの便益を高めるために生産可能性フロンティア上にある生産量の組み合わせを選択する。
このような状況を説明する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
[解答群]
ア Aさんは、いずれの財の生産においても、Bさんに対して比較優位を有するために、Bさんとの生産物の交換から便益を得ることができない。
イ Aさんは、いずれの財を生産するにせよBさんよりも生産性が高く、絶対優位を有するために、Bさんとの生産物の交換から便益を得ることができない。
ウ 比較優位性を考慮すると、Aさんはコメの生産に、Bさんは豚肉の生産にそれぞれ特化し、相互に生産財を交換し合うことで、双方が同時に便益を高めることができる。
エ 豚肉の生産について、AさんはBさんに対して比較優位を有する。
解説
比較優位に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
比較優位では、各製品の生産が相対的に得意か不得意かを検討するため、各製品を生産するために必要な生産要素の量で比較を行います。
今回の問題では、時間Tで生産できる量が与えられているため、こちらで比較を行います。
コメと豚肉をそれぞれ1に揃えた場合の生産量は下記の通りです。
上記表から、豚肉の生産においてはAさんがBさんに対して比較優位を有していますが、コメの生産においてはBさんがAさんに比較優位を有しています。よって、Aさんが豚肉、Bさんがコメに生産特化することにより、互いに生産物を交換して便益を得ることができます。
これを踏まえて各選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
コメの生産においてはBさんがAさんに比較優位を有しているため、Aさんが豚肉、Bさんがコメに生産特化することにより、互いに生産物を交換して便益を得ることができます。
よって、この記述は×です。
選択肢イ:誤りです。
Aさんは、いずれの財を生産するにせよBさんよりも生産性が高く、絶対優位を有するという記述は正しいです。しかし、Aさんが豚肉、Bさんがコメに生産特化することにより、互いに生産物を交換して便益を得ることができます。
よって、この記述は×です。
選択肢ウ:誤りです。
Aさんは豚肉の生産、Bさんはコメの生産について比較優位を有しています。
よって、この記述は×です。
選択肢エ:その通りです。
Aさんは豚肉の生産について比較優位を有しています。
よって、この記述は○です。
以上から、正解は選択肢エとなります。
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