今日は、経済学・経済政策 R6 第14問について解説します。
下図は、ある個人の予算制約線を描いている。当初の予算制約線はABであり、このとき、この個人は点Eで決まる数量のX財とY財を消費している。所得の増加によって予算制約線はCDとなり、このとき、この個人は点Fで決まる数量のX財とY財を消費している。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も定説なものを下記の解答群から選べ。
a X財の所得効果は、負である。
b X財の所得弾力性は、正である。
c Y財の所得効果は、負である。
d Y財の所得弾力性は、ゼロである。
〔解答群〕
ア a:正 b:誤 c:正 d:誤
イ a:正 b:誤 c:誤 d:正
ウ a:誤 b:正 c:正 d:誤
エ a:誤 b:正 c:誤 d:正
オ a:誤 b:正 c:誤 d:誤
解説
スルツキー分解に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
需要の所得弾力性とは、所得をm、需要をDと置いたとき、所得mが1%変化したときに需要Dが何%変化するかということを意味します。
所得効果は、価格比が変わらず、所得が上昇したとき(もしくは財の値段が下がったことにより実質所得が上昇したとき)の消費量の変化を表します。価格が下落したことで予算が余り、余った予算でどの財を買うのか、といったような効果です。
そして、所得が上昇したとき余った予算でどの財の消費を増やすかによって、財は上級財、中立財、下級財に分類されます。
それでは選択肢をみていきましょう。
a:誤りです。所得の増加によってX財の消費量が増えているので、所得効果は正となります。
b:その通りです。所得の増加によってX財の需要量(=消費量)が増えているので、所得弾力性は正となります。
c:誤りです。所得の増加でY財の消費量は同じなので、所得効果はゼロとなります。
d:その通りです。所得の増加でY財の需要量(=消費量)は同じなので、所得弾力性はゼロとなります。
以上から、a:誤 b:正 c:誤 d:正ですので
正解は選択肢エとなります。
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