今日は、経営法務 R6 第12問について解説します。
以下の会話は、食品会社の社長である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
甲 氏:「わが社の研究開発室では、日々、お客様にお喜びいただけるソースなどの開発を行っています。
このたび、新製品として画期的なパスタソースを開発しました。辛みと甘みが相まって、とろけるようなクリーミーな味です。特許出願しようと思うのですが、特許出願すると、パスタソースの製法が公になってしまうのですか。」
あなた:「はい。特許出願すると、原則として、特許出願の日から 【A】 を経過したときは出願公開されてしまいます。」
甲 氏:「では、特許出願をせずに秘密のままとする場合、その秘密を保護する法律はありますか。」
あなた:「営業秘密を保護する法律として、不正競争防止法があります。この法律では、営業秘密を『秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、【B】をいう』と規定しています。
詳しいことをお知りになりたいときは、ご専門の先生をご紹介します。」
〔解答群〕
ア A:1 年 6カ月
B:公然と知られていないもの
イ A:1 年 6カ月
B:容易に考えつくことができないもの
ウ A:2 年 6カ月
B:公然と知られていないもの
エ A:2 年 6カ月
B:容易に考えつくことができないもの
解説
特許出願および不正競争防止法に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
特許出願の登録までの流れ
不正競争防止法で規定される営業秘密の要件
それでは選択肢をみていきましょう。
A:特許の出願日から1年6か月経つと公開特許公報に出願の内容が自動的に公開されます。
また、出願公開までの期間は出願人(それ以外は不可)による請求で短縮することができます。なお、この請求は取り下げることはできません。
よって、「1 年 6カ月」が入ります。
B:営業秘密とは、アクセス制限や「社外秘」のマークをつけるなどの秘密管理のための措置がなされている秘密管理性、事業活動に有用な情報である有用性(公序良俗に反する内容以外であれば基本的にどんな情報でもOK)、公然と知られていない情報である非公知性の3つの条件を満たしたものとされています。なお、営業秘密には営業上の情報だけではなく、技術上の情報なども含まれます。
よって、「公然と知られていないもの」が入ります。
以上から、正解は選択肢アとなります。
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