今日は、運営管理のR6第1問について解説します。
生産形態に関する記述と用語の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 多様な顧客ニーズに合わせた製品を効率的かつ低価格で大量に生産する。
b 製品を品種ごとにまとめて、複数の品種を交互に生産する。
c あらかじめ用意した複数種類の部品を組み合わせて、受注後に多様な製品を生産する。
d 発注元のブランドとして販売される製品の製造機能を請け負って生産する。
〔解答群〕
ア a:OEM b:マスカスタマイゼーション c:モジュール生産 d:ロット生産
イ a:マスカスタマイゼーション b:モジュール生産 c:ロット生産 d:OEM
ウ a:マスカスタマイゼーション b:ロット生産 c:モジュール生産 d:OEM
エ a:モジュール生産 b:OEM c:マスカスタマイゼーション d:ロット生産
オ a:モジュール生産 b:ロット生産 c:OEM d:マスカスタマイゼーション
解説
生産形態に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
⽣産形態や⽣産⽅式は、様々な観点から分類できます。
・仕事の流し⽅の観点 :個別⽣産・ロット⽣産・連続⽣産
・注⽂と⽣産のタイミングの観点 :受注⽣産・⾒込⽣産
・⽣産する製品の種類と量の観点 :多種少量⽣産・中種中量⽣産・少種多量⽣産
・⼯場レイアウトの観点 :ジョブショップ型とフローショップ型
それぞれの特徴や課題などは 2 次試験でもよく問われますので、1 次試験の段階で理解を深めておきましょう。
ロット⽣産:仕事の流し⽅による分類において、例えば機械部品のように、⽣産量をまとめて複数の製品を交互に⽣産する⽅式をロット⽣産といいます。⼀度に同じ条件でまとめて作る製品の単位のことをロットといい、1 ロットの⽣産単位のことをロットサイズといいます。また、このロットサイズを設定することをロットサイジングといいます。ロットサイズは、材料調達、設備、管理の都合を考慮して、100 台、1,000 台、1⽇分といったように決められます。各ロットを識別できるようにすると、市場で不良が発⽣した際に、製造⽇、作業者などを追跡することができます。ロットサイズが⼤きい場合、段取り替えの回数が減って管理効率が⾼くなるという点がメリットですが、次の製品を⽣産するまでのサイクルが⻑くなる点はデメリットです。また、ロットサイズが⼩さい場合、次の製品を⽣産するまでのサイクルを短くできる点やロットトレース(追跡)が容易なためトレーサビリティの精度が向上する点はメリットですが、ロットサイズを⼩さくしすぎると段取り替えの回数の増加により、⽣産効率が低くなる点がデメリットです。ロットサイズは、受注や出荷の状況を踏まえ、適切に設定する必要があります。ちなみに、ロットサイズを⼩さくするには、段取り替えを効率化するという⽅法や、持ちすぎには注意する必要がありますが在庫を持つという⽅法があります。
OEM: OEM とは、Original Equipment Manufacturer(または Manufacturing)の略で、相⼿先ブランドによる⽣産という意味です。OEM は委託側にとっては⼯場を保有しないため固定費が削減でき、需要変動に柔軟に対応できるというメリットがありますが、⾃社で⽣産を⾏わないため⾃社の技術が育たないというデメリットもあります。また、受託側にとっては安定収⼊の確保や、相⼿先ブランドの⽣産を通じた製造経験の蓄積、遊休設備の活⽤というメリットがありますが、OEM に依存することで、⾃社ブランドの構築が困難となってしまう、⾃社の売上が受注先の経営状況に左右されてしまう、価格⽀配権を失う可能性が⽣じてしまうといったデメリットもあります。
マスカスタマイゼーション: 情報技術を活⽤し多数の顧客に個別に対応する手法
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:その通りです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:誤りです。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
本問題では、基本知識のロット生産の特徴と、OEMの意味を把握していれば、他用語知識がすぐ思い出せなかったとしても解答を導き出すことができた問題です。運営管理は問題数が多いため試験時間が足りなくなります。試験本番では、基本知識がすっと思い出せて時間をかけずに解ける問題を選択しながらどんどん解答していきましょう。計算問題や解答に迷う問題は後回しにすると試験時間の後半に時間的&精神的な余裕が出てきます。
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