今回は経営情報システムのH25年第6問について解説します。
業務に使用する情報処理システムの性能は、その構成方法に影響される。構成方法の選択においては、機器単体の処理能力で判断するだけではなく、信頼性や保守性など多面的な観点から性能の評価を行わなければならない。
情報処理システムの構成方法に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 集中処理システムに比べてクライアントサーバシステムでは、サーバとクライアントに役割の異なる機能を分担させるので、レスポンスタイムが向上し、信頼性も高くなる。
イ 集中処理システムに比べて分散処理システムでは、処理を分割して複数のコンピュータに分配し処理結果を統合する必要があるので、オーバヘッドは減少するが、システム全体の故障率は各システムの故障率の和となり信頼性は低下する。
ウ シングルプロセッサの集中処理システムにもう一組の処理システムを追加し、デュアルシステムに変更した場合、レスポンスタイムはほぼ半減し、信頼性も高くなる。
エ 複数のプロセッサで同時に処理を行うマルチプロセッサによる処理システムでは、シングルプロセッサでの処理に比べてスループットが向上し、信頼性も高くなる。
解説
システム構成方法に関する問題です。
それでは早速各選択肢について見ていきましょう。
選択肢アは、集中処理システムとクライアントサーバシステムの比較ですが、クライアントサーバシステムはサーバとクライアントに役割の異なる機能を分担させるので、レスポンスタイムは向上するのではなく低下します。よって、この選択肢は×です。
選択肢イは、「処理を分割して複数のコンピュータに分配し処理結果を統合する必要がある」という部分はその通りですが、オーバーヘッドは減少せず増加します。よって、この選択肢は×です。
選択肢ウのデュアルシステムは、2つのシステムが同時に稼働しながら常に互いの処理状況を監視し、もし片方に障害が発生したら、障害が発生した方のシステムを切り離して処理を継続するシステムのことです。信頼性は上がりますが、レスポンスタイムが半減するということはありません。よって、この選択肢は×です。
選択肢エは、その通りで、マルチプロセッサによる処理システムでは、スループットが向上し信頼性も向上します。よってこの選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢エとなります。