【過去問解説(企業経営論)】R6 第13問 環境分析と戦略

今日は、企業経営論のR6第13問について解説します。

 R6 企業経営論 第13問

熟達した起業家にみられる意思決定の様式とされるエフェクチュエーションに即した行動に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

ア 既存の製品を製造する時に使用していた温水に着眼し、その温水を利用してイチゴハウスの栽培を始めた。
イ 新規店舗を開設する際に、目標店舗数を設定するのではなく、許容できる損失額を重視して、段階的に店舗数を増やしていった。
ウ 大災害が起こったことによって大きな被害を受けたが、新聞報道などで被災地に注目が集まったことを利用して、自社製品の公告に力を入れた。
エ 他国で戦争が勃発し、エネルギー価格の変動が見込まれるため、過去20年分のデータを精査して、来年度の利益目標を立てた。
オ 発売した新製品に対してある顧客からクレームを受けたが、その顧客に製品改良のための活動に参加してもらい、製品の品質向上を図った。

解説

環境分析と戦略に関する問題です。
エフェクチュエーションとは、経験豊富な起業家の⾏動から抽出された意思決定についての考え⽅です。
従来の、⽬指す結果から結果を達成するための⼿段を検討するコーゼーションと呼ばれる方法に対し、エフェクチュエーションは今ある⼿段から何ができるかと問いかける⽅法です。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:その通りです。
既存の製品を製造する手段から、別の利用方法を検討しています。エフェクチュエーションの、⼿中の⿃の原則に該当します。

よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:その通りです。
コーゼーションであれば、目標店舗数を設定してからそれを実現するための方法を検討します。
目標店舗数を設定せず、損失額という新規店舗出店の結果から以後の出店を検討しており、エフェクチュエーションの、許容可能な損失の原則に該当します。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢ウ:その通りです。
注目を受けたという状況を利用して、自社製品の公告に力を入れるという方策を選択しています。エフェクチュエーションの、レモネードの原則に該当します。

よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ:誤りです。
予測から情報を分析し、今後の方針決定に利用しています。
エフェクチュエーションの五原則(⼿中の⿃の原則、許容可能な損失の原則、レモネードの原則、クレイジーキルトの原則、⾶⾏機の中のパイロットの原則)のいずれにも該当しません。

よって、この選択肢は×です。

選択肢オ:その通りです。
受けたクレームを利用して、製品改良と製品の品質向上につなげています。エフェクチュエーションの、クレイジーキルトの原則に該当します。

よって、この選択肢は〇です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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