【過去問解説(経営法務)】R6 第4問 剰余金配当

今日は、経営法務のR6第4問について解説します。

R6 経営法務 第4問

会社法が定める剰余金配当に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、本問においては、中間配当は考慮しないものとし、取締役の任期は 2 年とする。また、定款において特段の定めはないものとする。

ア 株式会社が剰余金配当をする場合、株主総会の決議によらなければならない。
イ 最低資本金制度が撤廃されたため、株式会社は、純資産額が 300 万円を下回る場合であっても、剰余金配当をすることができる。
ウ 剰余金の配当が分配可能額を超えてなされたとしても、当該配当を受けた株主が、株式会社に対して、その帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負うことはない。
エ 剰余金配当における配当財産は、金銭でなければならず、金銭以外の財産を配当財産とすることはできない。

解説

剰余金配当に関する問題です。
それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:その通りです。
配当は原則として、株主総会普通決議によりいつでも何回でも⾏うことができます。
取締役の任期を 1 年とした会計監査⼈設置会社は取締役会決議でも配当の実施を決めることができますが、問題文に「取締役の任期は 2 年」「定款において特段の定めはない」とあるため、本問ではこのケースを考慮する必要はありません。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢イ:誤りです。
純資産が 300 万円を下回る場合は、配当を⾏うことはできません。

よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。
分配可能額を超えて株主が配分を受けた場合、株主は、その配分全額を会社に返還する義務を負います。

よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:誤りです。
株式会社は剰余金の配当において、金銭以外の財産を配当財産とすることができ、これを現物配当(現物分配)といいます。
中間配当は金銭に限りますが、問題文で「中間配当は考慮しない」とあるため、本問ではこのケースを考慮する必要はありません。

よって、この選択肢は×です。

以上から、正解は選択肢アとなります。

 

 

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