【過去問解説(経営法務)】H28 第7問 特許

今日は、経営法務のH28 第7問 について解説します。

 経営法務 H28 第7問 

以下の文章は、特許法等の一部を改正する法律(平成 27 年 月 10 日法律第 55号)のうち、主に職務発明に関するものである。
文中の空欄A〜Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

グローバル競争が激化する中、わが国のイノベーションを促進するためには、研究者の研究開発活動に対するインセンティブの確保と、企業の競争力強化を共に実現するための環境整備が重要である。このような事情に鑑み、知的財産の適切な保護及び活用を実現するための制度を整備し、わが国のイノベーションを促進することを目的として、まず、職務発明制度の見直し、次に、特許料等の改定、さらには、 [A ]及び商標に関するシンガポール条約の実施のための規定の整備を行うこととした。

なお、従来の職務発明制度の柱は、まず、特許を受ける権利は[ B ]に帰属し、 [C ]が特許出願をするには、その権利を譲り受ける形となる点、及び、[B ]は、特許を受ける権利を [C ]に承継させた場合、その対価を請求することができる(いわゆる「対価請求権」)というものであった。
また、従来の職務発明制度では、異なる [C ]における共同発明者甲及び乙
が存在する場合、[C ]が、自社の発明者(甲)から特許を受ける権利を承継する場合、他社の発明者(乙)の同意も得る必要があるため、権利の承継に係る手続負担が課題となっていた。また、例えば共同研究の途中で、従業者(共同発明者)の人事異動が発生した場合は、再度、当該従業者から同意を取り直す等、権利の承継に係る手続がより複雑化していた。これらは、昨今共同研究の必要性が高まる中、企業のスピーディーな知財戦略実施の阻害要因のひとつとなっていた。
そこで、特許を受ける権利を初めから [C ] に帰属させることにより、この問題を解決することとした。

[解答群]
ア A:特許協力条約 B:使用者等 C:発明者
イ A:特許協力条約 B:発明者 C:使用者等
ウ A:特許法条約 B:使用者等 C:発明者
エ A:特許法条約 B:発明者 C:使用者等 

解説

特許に関する問題です。
職務発明については、まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは空欄A~Cをみていきましょう。

:「特許法条約」が入ります。特許法条約(PLT: Patent Law Treaty)は特許権について各国で異なる出願⼿続きの統⼀化・簡素化をするための条約です。どちらも⽇本では2016年に発効しました。

B、C:職務発明とは、従業員などが職務上⾏った発明のことです。
職務発明の特許を受ける権利は、就業規則などで使⽤者(企業)に特許を受ける権利を取得させることがあらかじめ定めてある場合は、発⽣したときから企業に帰属します。そして、特許を受ける権利を企業に取得させた場合、従業員は相当の利益(⾦銭その他経済上の利益)を受ける権利を持ちます。ただし就業規則などであらかじめ定めがない場合は、特許を受ける権利は従業員に帰属します。
よって、B:発明者 C:使用者等 が入ります。

以上から、A:特許法条約 B:発明者 C:使用者等 の組み合わせですので
正解は選択肢エとなります。

 

 

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