【過去問解説(経営法務)】R4 第18問 時効

今日は、経営法務のR4 第18問について解説します。

 経営法務 R4 第18問

時効に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、別段の意思表示はないものとする。

ア 共同相続人に対する相続回復の請求権は、時効の完成猶予や更新がなければ、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から 3 年間行使しないときは、時効によって消滅する。
イ 時効期間を延長する特約も、短縮する特約も、有効である。
ウ 人の身体の侵害による損害賠償請求権は、時効の完成猶予や更新がなければ、権利を行使することができる時から 10 年間行使しないときは、時効によって消滅する。
エ 人の身体を害する不法行為による損害賠償請求権は、時効の完成猶予や更新がなければ、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から 5 年間行使しないときは、時効によって消滅する。

解説

時効に関する問題です。
時効については、まとめシートで以下の通り解説しています。

民法については、込み入った問題も多く全てを覚えようとするとコスパが悪いため、ポイントを絞って覚えるようにしましょう。
時効については、まず以下のポイントを押さえてみてください。

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。相続回復請求権は、相続権の侵害に対する救済として認められる真正相続人の権利です。相続権を侵害された事実を知った時から 5 年間行使しないときは、時効によって消滅します。ただし、一般的な時効の「3年」とは異なりますが少しマニアックな論点ですので一旦スキップでも大丈夫です。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ:誤りです。時効の利益をあらかじめ放棄することは民法上禁止されています。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ:誤りです。⽣命・⾝体が侵害されたことによる損害賠償請求権の時効は、①損害及び加害者を知ったときから5年もしくは、②不法⾏為のときから20年で成⽴します。
よって、この選択肢は×です。

選択肢エ:その通りです。選択肢ウで説明の通り、⽣命・⾝体が侵害されたことによる損害賠償請求権の時効は、①損害及び加害者を知ったときから5年もしくは、②不法⾏為のときから20年で成⽴します。
よって、この選択肢は〇です。

以上から、正解は選択肢エとなります。

 

 

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