今日は、企業経営理論のH28 第30問 設問2について解説します。
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
①マーケティング概念は、今日に至るまで複数の②段階を経て発展してきたとフィリップ・コトラーは指摘している。近年のマーケティングを取り巻く環境は、私たちが暮らす社会における問題解決が強く求められている点に特徴づけられる。
③複雑化する世界における社会・経済的な適切さとは何か。環境面における望ましさとは何か。現代におけるマーケティング活動の実践においては、こうした点を事業のミッションやビジョン、価値の中核に据えることがますます重要になってきていると考
えられている。
(設問2)
文中の下線部②に示す段階に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア Marketing 1.0 とも呼ばれる第 1段階では、経済の高度化にともなって、多品種・小ロットを重視する柔軟な市場対応が重要視された。
イ Marketing 1.0 とも呼ばれる第 1段階では、生産者の生産能力と需要を整合するために、市場指向の考え方が採用されるようになった。
ウ Marketing 2.0 と呼ばれる第2段階では、情報技術の進展に後押しされる形での展開が見られ、より優れた製品をターゲット市場セグメントに投入することの重要性が高まった。
エ Marketing 3.0 とも呼ばれる第3段階では、デジタル技術によるオートメーションがマーケティング戦略策定における支配的なツールになることが強調されている。
オ マーケティングは、国や地域、機関の境界線を超えて共通の段階を経て、発展してきている。
解説
マーケティングコンセプトに関する問題です。
マーケティングコンセプトの変遷については、まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:誤りです。マーケティング1.0 は製品中心のマーケティングで、製品の機能的価値を上げる製品管理に重点が置かれました。選択肢の説明は、「柔軟な市場」等から消費者ニーズを満たすMarketing 2.0に関する説明です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:誤りです。選択肢アでも説明の通り、マーケティング1.0 は製品中心のマーケティングであり、「市場指向」についてはMarketing 2.0に関する説明です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ:その通りです。マーケティング2.0 では、消費者のニーズを満たすことに焦点が当てられ、顧客管理が重要とされました。「市場(消費者)志向」の考え方より、顧客ニーズを満たすために「優れた製品をターゲット市場セグメントに投入することの重要性が高まった」という説明は適切と考えられます。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ:誤りです。少し悩ましいですが、デジタル技術によるオートメーションはMarketing 2.0で既に登場しているとされています。また、Markegin3.0は「マーケティング戦略策定における支配的なツール」であるマーケティングコンセプトでもなさそうです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オ:誤りです。こちらも少し悩ましいですが、「国や地域、機関の境界線を超えて」というマーケティングのグローバル化が進むと、共通認識というよりは多様化が進むとされています。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
設問1の解説はこちら
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