今日は情報のH24第7問について解説します。
スマートフォンなどの多様な携帯端末機器の発達は、顧客にとっても、サービスを提供する事業者にとっても、多様な情報を迅速かつ場所を選ばず検索、照会、処理、発信できるというメリットを享受可能にしている。
ある中小製造企業は、製品を自社ウェブサイトで広告し、自社製造工程での受注製品の製造プロセスおよび発送プロセスの進捗状況を、顧客に知らせることができるシステムを構築したいと望んでいる。また進捗状況が許す範囲内で、製品仕様の変更や送り先の変更などができるシステムとしたいと望んでいる。
このシステム構築に関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 顧客が送り先の変更を携帯端末で行えるようにするには、送り先の変更処理をバッチ処理方式にする必要がある。
イ 顧客の携帯端末からの照会要求に対して、即座に製造プロセスの進捗状況を知らせるには、照会要求処理をリアルタイム処理方式にする必要がある。
ウ 顧客の携帯端末で自社サーバに接続できるようにするには、VPNと呼ばれるネットワークの接続形態が必要である。
エ スマートフォンから自社ウェブサイトを閲覧可能にするためには、この中小製造企業はそのための専用アプリケーションを開発し、顧客はそれをダウンロードしてインストールする必要がある。
解説
携帯端末を利用したシステム構築に関する問題です。
それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アの「バッチ処理」とは、一定期間の処理をまとめて一括処理する方法です。即時性の必要のない処理を夜間などに一括処理することで、サーバーの負荷を分散することができます。一方で、顧客が送り先の変更を携帯端末で行う際には、変更を即時に反映する必要がありますので、バッチ処理ではなくリアルタイム処理が必要になります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イの「即時に製造プロセスの進捗状況を知らせる」には、照会要求処理をリアルタイム処理方式にする必要があります。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウの「VPN(Virtual Private Network)」とは、インターネット上に仮想の専用線を設定して特定の人のみが利用できるようにした専用ネットワークであり、主に企業内の拠点間接続に利用されます。顧客の携帯端末(Webブラウザ)と自社サーバー(Webサーバー)を安全に接続するためには、SSL(Secure Sockets Layer)によって暗号化されたHTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)プロトコルで通信を行うのが一般的です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エの「顧客がWebサイトを閲覧する」ためにはスマートホン用のWebブラウザがあれば良く、専用アプリケーションのインストールは必要ありません。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。