今回は経営情報システムのR2年第18問について解説します。
システム開発は一つのプロジェクトとして進められることが多い。プロジェクトの進捗を管理することは非常に重要である。
プロジェクトを管理するために利用される手法やチャートに関する以下のa~dの記述と、その名称の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a プロジェクトの計画を立てる際に用いられる手法の一つで、プロジェクトで行う作業を、管理可能な大きさに細分化するために、階層的に要素分解する手法。
b プロジェクトにおける作業を金銭価値に換算して、定量的にコスト効率とスケジュール効率を評価する手法。
c 作業開始と作業終了の予定と実績を表示した横棒グラフで、プロジェクトのスケジュールを管理するために利用するチャート。
d 横軸に開発期間、縦軸に予算消化率をとって表した折れ線グラフで、費用管理と進捗管理を同時に行うために利用するチャート。
〔解答群〕
ア a:PERT b:BAC c:ガントチャート d:管理図
イ a:PERT b:BAC c:流れ図 d:トレンドチャート
ウ a:WBS b:EVM c:ガントチャート d:トレンドチャート
エ a:WBS b:EVM c:流れ図 d:管理図
解説
システム開発の進捗管理に関する問題です。
解答群を見ると、記述a、bとc、dをそれぞれセットで考えていくと良さそうです。
まず、記述a、bについて考えます。
記述aはPERTかWBSかを判断すれば良い問題です。PERTは経営情報システムでは学習しなかったかもしれませんが、運営管理ではその書き方も含めて学習したはずですので、よくご存じかと思います。説明文の「階層的に要素分解」というワードから、WBSと判断することができます。
記述aがWBSであれば、記述bは自動的に記述EVMとなります。
念のため確認してみると、記述bでは、「ロジェクトにおける作業を金銭価値に換算」とありますのでEVMで間違いないことがわかります。
次に、記述c、dについて考えます。
記述cは流れ図かガントチャートかを判断すれば良い問題です。ちなみに、流れ図は運営管理で学習しましたね。
説明文の「横棒グラフ」というワードから流れ図ではなくガントチャートのことを説明しているというのがわかるかと思います。
記述dはトレンドチャートか管理図かを判断すれば良い問題です。ちなみに、管理図も運営管理で学習したはずです。トレンドチャートはもしかしたら知らないかもしれませんが、「費用管理と進捗管理を同時に行うために利用するチャート」とあるので、管理図ではないということは判断できるはずです。
以上から、記述はaがWBS、bがEVM、cがガントチャート、dがトレンドチャートで、正解は選択肢ウとなります。