今日は、財務・会計のH25 第14問について解説します。
以下のデータから A 社の加重平均資本コストを計算した場合、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
有利子負債額：４億円
株式時価総額：８億円
負債利子率：４％
法人税率：40 ％
A 社のベータβ値：1.5
安全利子率：３％
市場ポートフォリオの期待収益率：８％
［解答群］
ア 5.8 ％ イ 6.7 ％ ウ 7.8 ％ エ 8.3 ％
解説
加重平均資本コスト（WACC）と期待収益率（CAPM)に関する問題です。
それぞれについて、まとめシートでは以下の通りまとめています。
【加重平均資本コスト（WACC）】
【期待収益率（CAPM)】
それでは選択肢をみていきましょう。
①加重平均資本コストを求めるにあたり必要な値を確認すると、自己資本コストがありません。
自己資本コスト＝期待収益率（CAPM）※ですので、先に期待収益率から計算します。
②期待収益率（CAPM)＝安全利子率（リスクフリーレート）+β（安全利子率ー市場ポートフォリオの期待収益率）より
自己資本コスト＝3+1.5（8-3）＝10.5％となります。
③自己資本コストが分かりましたので、あとは加重平均資本コストの公式に当てはめて計算します。
（8×10.5％）+（4×4％×（1-40％））/（8+4）＝7.8％
以上から、正解は選択肢ウとなります。
※企業が市場から資金を調達するために必要となる金利に相当するコストは資本コストといいます。逆に、投資家の側から見ると、企業が資金調達に投じるコストとは、投資家が得られるリターンを意味します。投資家から見た、企業に資金を提供しても良いと考えるだけのリターンの大きさを期待収益率といい、期待収益率と資本コストは等しくなります。
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