今日は企業経営理論H27第9問について解説します。
H27 企業経営理論 第9問
社外の企業や研究機関と連携して展開されるイノベーションが注目されている。
そのようなイノベーションへの対応や課題に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア NIH(Not Invented Here)現象と呼ばれる社外技術の活用への抵抗の主な理由は、社外技術への不信感や予算削減への抵抗ではなく、自社技術への強い自信にある。
イ 新しいモノ好きのリードユーザー(先端顧客)からの製品情報は、技術的な裏付けを欠くので、イノベーションのアイデアとして評価するにとどめる。
ウ 自社の経営資源を社外に開放して活用することによって、知的財産権からの収入やジョイントベンチャー設置による事業収入などの多様な収益源を確保できる可能性が生まれる。
エ 製品が市場に出るまでの時間や製品のライフサイクルが短くなるにつれて、研究開発部門への技術人材や資金の投入が効果的でなくなるので、他社とのオープンな技術交流による研究開発にそれらを集中的に投入しなければならない。
解説
イノベーションへの対応や課題について問われています。
それでは、早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、NIH現象について書かれていますが、NIH現象について知らないと判断が難しいかと思います。
そのため、知らない場合は一旦パスして次の選択肢を見ることにします。
選択肢イは、「新しいモノ好きのリードユーザー(先端顧客)」とありますが、新しいもの好きのユーザーはリードユーザーでなく、イノベーターといいます。
よってこの選択肢は×と判断できます。
選択肢ウはその通りで、特に誤りの記述は見当たらないため〇と考えられます。
選択肢エは、「製品が市場に出るまでの時間や製品のライフサイクルが短くなるにつれて、研究開発部門への技術人材や資金の投入が効果的でなくなる」とありますが、外部機関とのオープンな技術交流も重要ですが、技術人材や資金の投入が効果的でなくなるということにはならないので、この選択肢は×と判断できます。
選択肢アは一旦パスしましたが、選択肢ウが〇で問題がなさそうです。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
ちなみに、NIH現象(NIH症候群)とは、ある組織が別の組織が発祥であることを理由にそのアイデアや製品を採用しない、あるいは採用したがらないという現象です。自社技術に自信があるからというよりは、「自社で開発したものでないから」という理由で抵抗が生じるものです。
◆ブログ村参加しています◆
気に入っていただけたら、クリックお願いします!
2020年度版まとめシート(前編、後編)
Amazon&書店にて好評発売中!