今日は企業経営理論のR3 第18問について解説します。
I.L.ジャニス(I. L. Janis)が提唱した集団思考(groupthink)の先行条件と兆候に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 誤った判断を下すことは許されないというような外部からの強い圧力に集団がさらされる場合、集団思考が起きやすい。
イ 機密情報を扱う場合のように集団のメンバーが限定されると、その集団は孤立しやすくなるため、現実に即さない議論が促進されやすい。
ウ 集団思考の兆候として、自分たちの集団の能力を過小評価し、集団における意思決定では極端なリスクを避けるようになる。
エ 集団思考の兆候として、集団外部の人物や集団に対して紋切り型の判断を行うようになる。
オ 集団思考の兆候として、集団内の意思決定を正当化するための理屈づけを行い、自分たちにとって都合の悪い情報を過小評価するようになる。
解説
集団思考に関する問題です。
集団思考(groupthink)は、集団浅慮ともいい、集団での意思決定の方が短絡的になる傾向のことです。
この論点は二次試験の範囲でもありますので、兆候と対策はしっかりと押さえておきましょう。
それでは選択肢をみていきます。
今回は、不適切な選択肢を選びます。
選択肢ア:外部からの強い圧力やライバルの存在は集団思考による短絡的な意思決定になるのは集団思考の兆候の一つです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢イ:閉鎖的で集団の凝集性が高いのは集団思考の兆候の一つです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:自己集団の能力の過大評価によりリスクの高い行動をとるようになるのは、集団思考の兆候の一つです。
よって、「過小評価」「リスクを避ける」という点が誤りです。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:紋切型の判断のように、自分たちが正しいのは当然という独自の道徳観を抱くことは集団思考の兆候の一つです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢オ:集団内の意思決定を正当化、自己集団の過大評価などから、他者を過小評価することは集団思考の兆候の一つです。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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