今日は経済学のR3第13問について解説します。
市場取引において、売り手の行動を表す曲線は「供給曲線」、買い手の行動を表す曲線は「需要曲線」と呼ばれている。下図に基づき、供給曲線と需要曲線のシフト要因と、均衡価格の変化に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、点Eが初期の均衡を示している。
〔解答群〕
ア 技術の進歩によって供給曲線が左方にシフトし、嗜好の変化によって需要曲線が左方にシフトすると必ず均衡価格が上昇する。
イ 技術の進歩によって供給曲線が右方にシフトし、所得の増加によって需要曲線が右方にシフトすると必ず均衡価格が上昇する。
ウ 原材料費の下落によって供給曲線が左方にシフトし、嗜好の変化によって需要曲線が右方にシフトすると必ず均衡価格が上昇する。
エ 原材料費の上昇によって供給曲線が左方にシフトし、嗜好の変化によって需要曲線が左方にシフトすると必ず均衡価格が下落する。
オ 原材料費の上昇によって供給曲線が左方にシフトし、所得の増加によって需要曲線が右方にシフトすると必ず均衡価格が上昇する。
解説
ミクロ経済学の供給曲線・需要曲線に関する問題です。
それでは、早速各記述をみていきましょう。
選択肢アについて、供給曲線は技術進歩によって右方にシフトするため、「技術の進歩によって供給曲線が左方にシフト」という記述が誤っています。
よって、この記述は×です。
選択肢イについて、「技術の進歩によって供給曲線が右方にシフトし、所得の増加によって需要曲線が右方にシフトする」という記述は正しい記述になります。
しかし、下の図のように供給曲線と需要曲線のシフトの度合いによっては均衡価格が低下することもあるため、必ず均衡価格が上昇するわけではありません。
よって、この記述は×です。
選択肢ウについて、供給曲線は原材料費の下落によって右方にシフトするため、「原材料費の下落によって供給曲線が左方にシフト」という記述が誤っています。
よって、この記述は×です。
選択肢エについて、「原材料費の上昇によって供給曲線が左方にシフトし、嗜好 の変化によって需要曲線が左方にシフトする」という記述は正しい記述になります。
しかし、下の図のように供給曲線と需要曲線のシフトの度合いによっては均衡価格が上昇することもあるため、必ず均衡価格が下落するわけではありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オについて、「原材料費の上昇によって供給曲線が左方にシフトし、所得の増加によって需要曲線が右方にシフトする」という記述は正しい記述になります。
また、下の図のように供給曲線と需要曲線のシフトの度合いによらず、必ず均衡価格が上昇します。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢オとなります。