平成30年度の経営情報システムの問題は、前半のハードウエア~システム構成技術の部分で基本的な得点しやすい問題が多くありました。そのため、例年問われるような基本的な問題をしっかり取っていけば、合格点は狙えるのではと思いました。
また、昨年に引き続き今年もガイドラインの関連の問題が出なかったのに加え、毎年2問出ていた捨て問用の統計解析の問題が1問になったのも得点を底上げする1つの要因となったかと思います。
経営情報システムからRASISの問題について解説します。
この問題は、基本的な内容を押さえておけば解けますので、ぜひ得点したい問題です。
H30 情報 第11問
情報システムの評価指標に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア MTBF/(MTBF + MTTR) の値が大きいほど、可用性が高いと言える。
イ MTBF の値が小さいほど、信頼性が高いと言える。
ウ MTTF の値が小さいほど、機器の寿命が長いと言える。
エ MTTR の値が大きいほど、保守性が高いと言える。
システムの信頼性を評価する観点であるRASISの各指標について問われている問題です。
RASISは、まとめシートでも解説したとおり、下記の指標の頭文字を取ったものです。
それではこれを踏まえ、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、可用性がMTBF/(MTBF + MTTR)の式で表せるということは合っていますね。
MTBFはMean Time Between Failure、直訳すると故障の間の平均的な時間、つまり平均故障間隔のことを表しており、MTTRはMean Time To Repair、直訳すると修理する間の平均的な時間、つまり平均復旧時間のことを表しています。
可用性は、平均故障間隔と平均復旧時間の和、つまり全体の時間のうちの平均故障間隔の割合のことですので、この値が大きいほど可用性は高いと言えるので選択肢アは○と判断できます。
選択肢イのMTBFは、信頼性を表す指標ですが、この値が大きいほど信頼性が高いので×です。
選択肢ウは、MTTFについて書かれていますが、もし、MTTFという用語について知らない場合は一旦パスして考えていきましょう。
ただ、選択肢アが確実に○ですので、わからなくても正解は判断できるかと思います。
また、もしこの用語を知らなくても他の用語からMTTFはMean Time To Failureでないか、と推測することもでき、そこからこの値が小さいほど寿命が長いというのは×でないかと考えることもできます。
選択肢エのMTTRは、保守性を表す指標ですが、この値が小さいほど保守性が高いので×です。
以上から、正解は選択肢アとなります。
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