【過去問解説(企業経営理論)】H24第4問 タイムベース競争

今日は企業経営理論H24第4問からタイムベース競争の問題を取り上げます。

 

H24 第4問

いかに早く競争力のある製品を開発し、市場に供給するか、という時間をめぐる競争はタイムベース競争と呼ばれている。そのような競争をめぐる問題点や考慮すべき点に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 商品購入時にユーザー登録をしてもらって利用特典を与える販売方式は、バージョンアップした自社商品への乗り換えを難しくするので、その企業の商品の普及スピードを鈍化させることになる。
イ 生産リードタイムの短縮によって、原材料の在庫の回転率があがるが、生産コストに変化はなく、収益も変わらない。
ウ 先発して市場に参入すれば、有利な立地や優秀な人材を先取りできるばかりではなく、市場動向に素早く対応して、売り上げが増大する可能性が高くなる。
エ 他社に先駆けて特許等で参入障壁を築いて防衛的地位を固めると、ニッチ市場に入り込んでしまい、市場の変化に取り残されてしまうことになる。
オ 他社の競合品よりも多くの量の自社製品をすばやく生産することを続けると、
単位あたりコストが増大し、市場競争で劣位に立たされることになる。

それでは早速、それぞれの選択肢を見てみましょう。

選択肢アは、「バージョンアップした自社商品への乗り換えを難しくする」とありますが、実際は逆に簡単にするので、この表記は誤りです。 また 、ユーザー登録をすることがその企業の商品の普及スピードを鈍化させることにはなりません 。

よってこの選択肢は×です。

選択肢イは、生産コストに変化はなく収益も変わらないとありますが、生産リードタイムの短縮をすることで生産コストは減らすことができ、収益を上げることができるためこの選択肢は×です。

選択肢ウは特に問題なさそうです。

選択肢エは、他社に先駆けて参入障壁を築いてしまってもニッチ市場に入り込むことにはなりませんのでこの選択肢は×です。

選択肢オは、他社の競合品よりも多くの量の自社製品を素早く生産することを続ければ、単位あたりコストは増大ではなく減少し、市場競争では優位に立つことができるため×です。

以上から正解は選択肢ウとなります。

 

 

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