今回は、財務・会計から、平成25年の第22問について解説します。
輸入業を営む A社は、3か月後にドル建てで商品の仕入代金を支払う予定である。A社が為替リスクをヘッジするときの取引として、最も適切なものはどれか。
ア ドル売りの為替予約を行う。
イ ドル買いの為替予約を行う。
ウ ドル建ての借入を行い、為替の直物レートで円を買う。
エ ドルの3か月物コール・オプションを売る。
解説
為替リスクのヘッジ方法について問われています。
A社は輸入業を営み商品代金を支払う予定、とのことなので3か月後にドルが必要になります。
ですが、もし3か月後に急激に円安が進んでしまうと、仕入れ先にドルで支払うときに用意すべき円が増えてしまうということになります。
今回の場合、もし急激に円安が進んでしまったとしても支払額が大きく増えてしまわないようにするためにはどうすればいいかということが問われています。
選択肢を見ると、為替予約やコールオプションという言葉があります。
それぞれについて確認していきましょう。
まず、為替予約についてです。
為替予約とは、その名の通り為替を予約することで、将来、外国通貨を購入または売却するときの価格と数量を現在の段階で契約(予約)する取引のことです。
例えば、ドル売りの為替予約であれば、3か月後に1ドル135円で1万ドル分を売る契約をすれば、1ドル100円になろうと、1ドル150円になろうと1ドル135円で1万ドル分売ることができる、というようなイメージです。
逆に、ドル買いの為替予約であれば、3か月後に1ドル135円で1万ドル分を買う契約をすれば、1ドル100円になろうと、1ドル150円になろうと1ドル135円で1万ドル分買うことができる、というようなイメージです。
今回の問題の場合、3か月後にドルが必要になるので、ドル買いの為替予約は為替リスクのヘッジに有効な方法と言えます。
ちなみに、オプションも為替リスクのヘッジに有効な方法ですが、オプションをリスクヘッジに使う場合は、オプションの売りではなく買いを用います。
以上から、正解は選択肢イとなります。
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