今日は企業経営理論H24第6問の競争戦略に関する問題について解説します。
H24 第6問
企業は自社の業界における相対的な地位を踏まえて競争戦略を展開することが重要である。そのような競争戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア チャレンジャーは、リーダーの高い技術力が生み出した差別化された製品と同質な製品を販売し、リーダーの差別化効果を無効にすることを狙うべきである。
イ ニッチャーは特定の市場セグメントで独自性を発揮できる戦略を遂行して、強
い市場支配力を狙うことが必要である。
ウ フォロワーは特定市場でリーダーの製品を模倣しつつ、非価格競争によって収益をあげることが基本戦略になる。
エ ライバル企業に比べて技術力や生産能力に劣るニッチャーの場合、価格競争に重点をおいた販売戦略を幅広い市場で展開することが重要になる。
オ リーダーは周辺の需要を拡大することによって、売り上げの増加や市場シェア
の拡大を図ることができるが、その反面で新製品の投入を遅らせてしまうことに
なる。
解説
コトラーの競争地位別戦略に関する問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アのチャレンジャーは、経営資源に勝るリーダーに対しては同質ではなく、異質の製品を作ることでリーダーに対抗します。
逆にリーダーは、競争相手に対しては、同業他社が取った差別化戦略に対して、豊富な経営資源を活かして同様のものを販売する同質化戦略を取ります。
ちなみに、まとめシートも残念なことにリーダーであるT社に同質化戦略を取られてしまいました。T社は、今年からなぜか7科目が2冊で学べる図解が多い参考書が出版しました。
選択肢イはその通りで〇です。
念のため残りの選択肢も見ていきましょう。
選択肢ウのフォロワーは、非価格競争ではなく、どちらかというと価格競争でリーダーに追随します。
選択肢エのニッチャーは、特定の分野ではリーダー企業をしのぐ技術力を持っている場合もあり、「ライバル企業に比べて技術力や生産能力に劣る」という表現は誤りです。また、ニッチャーは限定された市場で戦うため、後半の表現も誤りとなります。
選択肢オのリーダーについては、前半の説明は正しいですが、後半の「新製品の投入を遅らせてしまうことに
なる」という説明は誤りで、豊富な経営資源を活かして、新製品を次々と投入していきます。
以上から正解は選択肢イとなります。
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