【過去問解説(企業経営理論)】R1 第8問 競争戦略

今日は企業経営理論R1第8問の競争戦略に関する問題について解説します。

 

R1 企業経営理論 第8問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
コンピュータのソフトウェアやコンテンツなどのデジタル化された情報財は、製品開発費などの固定費が占める比率が[ A ]く、製品1単位を追加的に生産するためにかかる費用が[ B ]い傾向があるという特性を有している。
こうした情報財の特性は、製品市場での競争状況や、その状況に基づく競争戦略に影響を与える。特に重要なのは、複数の企業が同様の情報財を供給して、コモディティ化が生じる場合、たとえ当該市場が成長段階にあったとしても、企業間での競争が激化して、最終的には[ C ]の水準まで価格が低下してしまう点にある。
そのために、デジタル化された情報財では、その特性を勘案した競争戦略によって、コストリーダーシップや製品差別化を実現することで、コモディティ化に伴う熾烈な価格競争を回避すべきだとされる。例えば、パソコンのオペレーティング・システム(OS)の場合、支配的な地位を確立した企業は、ユーザー数の多さが当該製品の便益の増大につながる[ D ]などを背景として、持続的な競争優位を獲得してきた。
(設問 1)
文中の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
ア A:高  B:低  C:機会費用
イ A:高  B:低  C:限界費用
ウ A:高  B:低  C:固定費
エ A:低  B:高  C:機会費用
オ A:低  B:高  C:限界費用

(設問 2)
文中の空欄Dに入る語句として、最も適切なものはどれか。
ア オープン・イノベーション
イ デジュール標準
ウ ネットワーク外部性
エ リバース・イノベーション
オ リバース・エンジニアリング

解説

今回は穴埋め問題です。

それでは早速各設問を見ていきましょう。

【設問1】

空欄AとBは、情報財の固定費と変動費の比率についてです。

デジタル化された情報財は一度コンテンツを作ってしまえば、コピーは容易ですので、製品1単位を追加的に生産するためにかかる費用は低いです。
それに対し、コンテンツを作り上げるまでの固定費は高くなります。

そのため空欄Aには「高」が、空欄Bには「低」が入ります。

また、空欄Cについては、経済学で学んだように、企業間の競争が激化して完全競争となると、価格は限界費用と等しくなります。
よって空欄Cには「限界費用」が入ります。

以上からA:高、B:低、C:限界費用となり、設問1の正解は選択肢イとなります。

 

【設問2】

設問2は用語を知っているかどうかが問われています。
「ユーザー数の多さが当該製品の便益の増大につながる」という記述から、空欄Dには「ネットワーク外部性」が入ります。
よって、設問2の正解は選択肢ウとなります。

 

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