今日は経済学のH24第9問について解説します。
IS-LMモデルでは、横軸にGDP、縦軸に利子率をとり、IS曲線とLM曲線を描く。IS曲線とLM曲線の形状とシフトに関する説明として、最も適切なものはどれか。
ア GDPが増えると貨幣の取引需要も大きくなることから、貨幣市場の均衡利子率は低くなり、LM 曲線は右上がりに描かれる。
イ 貨幣供給量を増やすと、貨幣市場を均衡させる利子率が低下することから、LM曲線は上方向にシフトする。
ウ 政府支出を拡大させると、生産物の供給も拡大することから、IS曲線は右方向にシフトする。
エ 利子率が高い水準にあると投資水準も高くなると考えられることから、生産物市場の均衡を表すIS曲線は、右下がりに描かれる。
オ 流動性のわなが存在する場合、貨幣需要の利子弾力性がゼロになり、LM曲線は水平になる。
解説
IS-LM分析に関する問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、「貨幣市場の均衡利子率は低く」とありますが、GDPが増えると貨幣の取引需要も大きくなり、貨幣市場の均衡利子率は上昇します。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イは、「LM曲線は上方向にシフト」とありますが、貨幣供給量を増やすと、貨幣市場を均衡させる利子率が低下し、LM曲線は下方向にシフトします。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウは、政府支出を拡大させると、均衡利子率が一定の下で総供給も拡大するため、IS曲線は右方向にシフトします。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エは、「投資水準も高くなる」とありますが、利子率が高い水準にあると投資水準は低くなると考えられます。
よって、この選択肢は×です。
選択肢オは、「貨幣需要の利子弾力性がゼロ」とありますが、流動性のわなが存在する場合、貨幣の投機的需要が無限大となり、貨幣需要の利子弾力性が無限大になります。
よって、この選択肢は×です。
以上から正解は選択肢ウとなります。
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