今日は運営管理のH24第35問について解説します。
トレーサビリティに関する記述として最も適切なものはどれか。
ア トレーサビリティでは、製品の原材料から消費後の廃棄に至るまでに排出する二酸化炭素の量を製品に表示することが必要である。
イ トレーサビリティは、原材料の産地や製造工場を製品ラベルに記載することを指す。
ウ トレーサビリティは、商品の品質を高め最終消費者に安全なものを提供できるように小売業が行う。
エ トレーサビリティを構築する仕組みには、ロットナンバー管理とシリアルナンバー管理という2つの方法がある。
解説
トレーサビリティに関する問題です。トレーサビリティ(traceability)は、「trace(追跡)」と「ability(可能性、能力)」の2つの単語を組み合わせた言葉で、直訳すると「追跡可能性」となり、原材料や商品の移動の履歴を把握する可能性や能力を意味します。
それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アの「製品の原材料から消費後の廃棄に至るまでに排出する二酸化炭素の量を製品に表示すること」のは、カーボンフットプリントに関する説明です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イでは「製品ラベルに記載する」とありますが、トレーサビリティでは生産、加工、流通の各段階で、材料や商品がどこから入荷しどこへ出荷したのかを各事業者が記録しておき、後から追跡可能であれば問題ありません。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウでは「小売業が行う」とありますが、実際に追跡を可能にするためには原材料の生産から加工、流通段階の情報が必要になりますので、原材料の生産者、加工業者、流通業者も含めたサプライチェーン全体で行うことが必要です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エにある「ロットナンバー管理(あるまとまった量=ロット単位に識別番号を付番する)」、「シリアルナンバー管理(個々の商品に固有の番号を付番する)」はトレーサビリティ構築の有効な手法です。商品に何か問題が発生した場合には、ロットナンバーやシリアルナンバーを頼りに追跡調査を行います。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正解は選択肢エとなります。