今日は、運営管理のR6第37問について解説します。
チェーン小売業の物流センターの機能に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア クロスドッキングは、出荷指示に基づいて、商品を庫内の保管場所から取り出し、取り揃えることである。
イ 小売業者の仕入条件が店頭渡しの場合、在庫型物流センターの在庫の所有権は小売業者にある。
ウ 通過型物流センターでは、温度管理が必要な低温商品を取り扱うことができない。
エ 店舗での発注から納品までのリードタイムは、在庫型物流センターよりも通過型物流センターを利用する方が短くしやすい。
オ 物流センターを利用すると、店舗に対する複数の納入業者からの納品を取りまとめることができ、店舗での荷受作業を軽減することができる。
解説
物流センターの機能に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
選択肢ア:クロスドッキングは、出荷指示に基づいて、商品を庫内の保管場所から取り出し、取り揃えることである。
❌ 誤り
記述内容は、在庫型物流センターにおけるピッキングの説明です。
クロスドッキングは、様々なベンダーからの製品を仕分けし、荷合わせする機能のことで、TC(通過型物流センター)型でよく用いられる手法です。
選択肢イ:小売業者の仕入条件が店頭渡しの場合、在庫型物流センターの在庫の所有権は小売業者にある。
❌ 誤り
「店頭渡し(店頭納品)」という仕入条件の場合、商品の所有権が小売業者に移るのは店舗で商品を受け取った時点です。
したがって、物流センター内にある商品はまだ納品されていない状態であり、所有権は納入業者(またはメーカー)側にあるのが一般的です。
選択肢ウ:通過型物流センターでは、温度管理が必要な低温商品を取り扱うことができない。
❌ 誤り
通過型物流センターでも、低温設備が整っていれば、温度管理が必要な商品(冷蔵・冷凍品)を取り扱うことは可能です。
物流センターのタイプ(在庫型か通過型か)にかかわらず、設備の有無がポイントです。
よって、「取り扱うことができない」と断定するのは誤りです。
ちなみに問題を解く際のコツとして、このように「~~できない」等の断定表現は誤りになるケースが多いので迷った際は参考にしてみてください。
選択肢エ:店舗での発注から納品までのリードタイムは、在庫型物流センターよりも通過型物流センターを利用する方が短くしやすい。
❌ 誤り
DC (在庫型センター)型は、センター内で在庫として保管している商品を店別や方面別に仕分けして配送先に納品する機能を持っている物流センターのことです。この方式は卸売業者に多く導入されており、センター内に在庫を保有するためリードタイムが短く、商品をメーカーごとではなくカテゴリごとに納品するカテゴリ納品にも対応しやすい方式です。
選択肢オ:物流センターを利用すると、店舗に対する複数の納入業者からの納品を取りまとめることができ、店舗での荷受作業を軽減することができる。
✅ 正しい
物流センターは、複数の納入業者からの商品の集約、一括納品が可能です。
その結果、店舗側では納品回数・荷受作業の回数が減り、業務の効率化・省力化が図られます。
まとめ
ア ❌ クロスドッキングの定義が誤り。保管場所からの取り出しは含まれない。
イ ❌ 店頭渡しでは所有権はまだ納入業者にある。
ウ ❌ 温度管理可能な通過型物流センターも存在する。
エ ❌ 一般的に在庫型の方がリードタイムが短いとされる。
オ ✅ 複数業者からの納品を取りまとめ、店舗の荷受作業を軽減できる。
以上から、正解は選択肢オとなります。
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