今日は運営管理のH25年第32問の問題について解説します。
H25 運営管理 第32問
ある店舗では、日々の売上に大きな変動がなく、需要予測の精度が比較的高い定番商品について、店頭欠品を防ぐために基準在庫を設定したうえで、発注業務を行っている。この店舗で取引先と発注・納品のスケジュールに関する条件を見直す際、発注頻度や発注から納品までのリードタイムを変更したときの影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 発注頻度は変えずに、リードタイムを3日から6日に変更した場合、基準在庫を変更前の2倍にすることが必要である。
イ 発注頻度を週3回から週1回に変更し、リードタイムを6日から3日に変更した場合、基準在庫を変更前の半分に減らしても店頭の欠品が増えることはない。
ウ リードタイムは変えずに、発注頻度を週1回から週3回に変更した場合、基準在庫を変更前より減らすことができる。
エ リードタイムは変えずに、発注頻度を週3回から週1回に変更した場合、変更前の基準在庫を維持すれば店頭の欠品を防ぐことができる。
解説
在庫管理に関する問題です。
この問題で示されている「基準在庫」は、どういうものかについての説明がされていませんが、「基準在庫を設定したうえで、発注業務を行っている」という記述から、発注点的な意味で使われているのかとも考えられます。
「基準在庫」の意味が不明確ですが、ここで悩んでいても仕方がないので、とりあえず選択肢を見てみることとします。
基準在庫=発注点と捉えた場合、まとめシートでも紹介しましたが、定量発注方式における発注点は以下の式で求めることができます。
発注点=調達期間×調達期間中の1日の平均需要量+安全在庫
それでは、これを踏まえて早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、「発注頻度は変えずに」とあるため、定期発注方式であると考えられ、上記の発注点の式は当てはまりません。
どう判断するか悩ましいため、一旦この選択肢はスルーすることとします。
選択肢イも、基準在庫=発注点と捉えた場合、
発注点=調達期間×調達期間中の1日の平均需要量+安全在庫
となりますが、本当に基準在庫=発注点なのか謎ですので、一旦スルーして次の選択肢を見てみることとします。
選択肢ウは、基準在庫とは何かという明確な定義はないものの、発注頻度を増やした場合、一般的に抱えておくべき在庫は減らすことができますので、〇と考えられます。
逆に、発注頻度を減らした場合、一般的に抱えておくべき在庫は増えますので、選択肢エは×と考えられます。
以上から、選択肢ア、イはスルーしたものの、選択肢ウが明らかに〇ですので、正解は選択肢ウと判断できます。
ちなみに、後で「基準在庫」について、色々調べてみたのですが、結局明確な定義は見つけることができず、「基準在庫」とは独自に作られた謎ワードだったのではと考えられます。
2020年度版まとめシート(前編、後編)
Amazonにて好評発売中!
—–