今日は運営管理のH24第32問について解説します。
日本の物流センターに関する記述として最も適切なものはどれか。
ア 小売業の専用センターで共同配送を行うと、店舗への配送頻度を高めてサービスレベルを高めることができるが、物流コストは増加する。
イ 小売業の専用センターは、卸売業者により運営されていることが多い。
ウ 小売業の専用センターは、クロスドッキングの機能を持つ通過型センターである。
エ センターフィーは、小売業者の得る利益等を勘案して合理的であると認められる範囲であることが「大規模小売業告示」で求められている。
解説
小売業の物流センターに関する問題です。問題文中にある「専用センター」とは、特定企業専用に運営されている物流センターを意味します。
それでは早速、各選択肢を見ていきましょう。
選択肢ア:小売業の専用センターでは、多くのメーカーや卸売業者から商品が納品され、それらを混載して各店舗に配送します。専用センターから異なるカテゴリーの商品を一括して配送することができるため、店舗への配送回数が削減され物流コストの削減につながります。また、多頻度小口配送に対応することでサービスレベルを高めることも可能です。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ:小売業の専用センターは、所有権は小売業者にあるものの、運営自体は卸業者が行っているケースが多いです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢ウ:専用センターには、多くのメーカーや卸売業者から商品が納品されるため、在庫を持たない通過型センターだけではなく、在庫型センターも存在します。
よって、この選択肢は×です。
選択肢エ:センターフィーとは、センターに商品を納品する業者が支払う「センター使用料」のことです。近年では小売業者の力が相対的に強くなっていることを背景に、公正取引委員会より「大規模小売業告知」によって大規模小売業者による優越的地位の濫用行為が規制されています。「大規模小売業告知」で禁止されている事項には、「不当な返品」「不当な値引き」「特売商品等の買いたたき」「押しつけ販売」などが挙げられていますが、センターフィーに関する記述はありません。
よって、この選択肢は×です。
以上から、正解は選択肢イとなります。