【過去問解説(運営管理)】H29第12問 在庫管理

今回は運営管理についてです。

 

運営管理は暗記系の問題が大半ですが、一部計算系の問題も出題されます。

計算系の問題は苦手とされる方も多いですが、公式を覚えていれば対応できるような問題の場合もあります。

苦手な方も最低限、公式はしっかり覚えておきましょう。

 

H29の問題は、計算までは必要とされず、公式を覚えていれば対応できる問題です。

さらに、公式を知らない場合でも現場対応で回答ができるタイプの問題ですので、比較的難易度は低い問題です。

このような問題は確実に得点できるようにしましょう。

 

H29 運営管理 第12問
在庫を評価するための尺度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 在庫回転率は、標準在庫量を使用実績量で除したものである。
イ 在庫月数は、月間使用量を平均在庫量で除したものである。
ウ 品切れ率は、品切れ件数を受注件数で除したものである。
エ 納期遵守率は、納期遅延件数を受注件数で除したものである。

 

適切なものを判断するためにそれぞれの選択肢について見ていきましょう。

 

アは数量ベースの在庫回転率について聞かれています。数量ベースの在庫回転率は

在庫回転率=売上数量÷平均在庫高

ですので、「標準在庫量を使用実績量で除した」では、分子と分母が逆ですね。

ですのでこの選択肢は誤りと判断できます。

公式をそのまま問うような問題の場合、このように分子と分母が逆になっているパターンはよく間違いの選択肢として出てきますので、選択肢をチェックする時は逆になっていないか疑ってかかるようにしましょう。

 

イは在庫月数についてです。

在庫月数について公式を知らない、という方も名前から現場対応で名前から考えてみましょう。

「在庫月数」と言っているので、在庫が何ヶ月分あるか、ということを表しているものと想定できます。

ということは、回転率と逆で、在庫の量÷1月当たりの使用量ではないかと想定できます。

選択肢イでは、「月間使用量を平均在庫量で除した」とありますので、選択肢アと同様、分子と分母が逆になっていると想定できます。

そのため、この選択肢は誤りの可能性が高いと判断できます。

 

ウは品切れ率についてです。

品切れ率についても公式を知らない場合、現場対応で名前から考えてみましょう。

品切れの率ですので、全体に占める品切れの割合と想定できます。

選択肢ウでは、「品切れ件数を受注件数で除した」とありますので、間違ってなさそうです。

そのため、この選択肢は正しい可能性が高いと判断できます。

 

念のため、最後の選択肢も検討してみます。

エは納期順守率についてです。

納期順守率についても公式を知らない場合、現場対応で考えてみます。

納期が遵守された率なので、全体に占める納期が遵守された割合と想定できます。

選択肢エでは、「納期遅延件数を受注件数で除したもの」とありますが、納期が遵守された割合を聞いているので、分子が納期遅延件数ではなく、納期が遵守された件数だと考えられます。

そのため、この選択肢は誤りの可能性が高いと判断できます。

 

以上より、正解の選択肢はウであると判断できます。

 

このように、もし公式として知らない場合でも言葉の意味を考えることで、現場対応で問題が解けることがあります。

知らない言葉が出てきた場合も、知らないと諦めるのではなく、落ち着いて考えてみることで得点に繋がる場合があります。

 

現場対応は一朝一夕ではなかなか身につきにくいですので、普段からわからない問題でもすぐに暗記に走るのではなく、現場対応でどうにかならないか、と挑戦してみると徐々に身についてくるかと思います。

 

 

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