今回の過去問解説はH27年第1問の生産管理の基本用語についての問題です。
H27 運営管理 第1問
ある製造ラインでは、下図に示すように、第1工程から第3工程を経て製品の加工が終了し、出荷される。各工程で不適合品が発生した場合には、手直し工程で手直しされる。投入された製品はすべて次工程に送られ、直行品と手直し品には品質に差はないものとする。各工程の不適合品率は下図に示すとおりである。この製造ラインの直行率の値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
この問題では、直行率という用語を知っているか、ということとその知識を踏まえて直工率を求められるかということが問われています。
ちなみに、直行率とは「投入したもののうち、最後まで一度も手戻りなく製品になって出荷できたものの割合」のことでしたね。
ですので、これを踏まえて直行率を計算していきましょう。
第1工程から第2工程の間の不適合品率は20%とあります。
ということは、逆に言うと第1工程から第2工程の間を手戻りなく進めたのは80%ということになります。
つまり、もし、1000個の製品を加工したら、そのうちの800個は手戻りなく進めるということです。
次に、第2工程から第3工程の間の不適合品率は10%とあります。
ということは、第2工程から第3工程の間を手戻りなく進めたのは90%です。
つまり、800個の製品を加工したら、そのうちの720個は手戻りなく進めるということです。
最後に、第3工程から出荷までの間の不適合品率は10%とあります。
ということは、第3工程から出荷までの間を手戻りなく進めたのは90%です。
つまり、720個の製品を加工したら、そのうちの648個は手戻りなく進めるということです。
以上を踏まえると、1000個の製品のうち648個が最後まで一度も手戻りなく製品になって出荷されるため、直行率は64.8%となり、正解は選択肢イとなります。
ちなみに、直行率の計算がわかっていれば実際の試験の時は上記のようにのんびり考えるのではなく、
不適合率が20%、10%、10%だから80%×90%×90%、ざっくり60%ちょいだろうから、選択肢イだな、
と手早く計算し、今回のように選択肢の値が結構ばらけている場合は、厳密に計算せずにすぐに暗算でできる範囲で絞り込み選択肢を選びます。
そして、他の問題を解き終わった後で、もし余裕があれば確かめ算を行います。
そうすることで、解答の時間を短縮し、他の問題にじっくりと時間をかけられるようにします。
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