今日は、 財務・会計 R5 第17問について解説します。
以下の、リスクの異なるH事業部とL事業部を持つ多角化企業に関する資料に基づいて、H事業部に属する投資案(H案)とL事業部に属する投資案(L案)の投資評価を行ったとき、最も適切なものを下記の解答群から選べ。ただし、この多角化企業は借り入れを行っていない。
〔解答群〕
ア H案、L案ともに棄却される。
イ H案、L案ともに採択される。
ウ H案は棄却され、L案は採択される。
エ H案は採択され、L案は棄却される。
解説
投資評価のうち、内部収益率に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。
IRR 法はIRR を求め資本コストと⽐較を⾏い、IRR が資本コストより⼤きければ投資を⾏うという判断をします。
それではH案、L案について見ていきましょう。
上記まとめまとめシートの説明で「IRR が資本コストより⼤きければ投資を⾏う」とありますが、今回の場合資本コストは2つあり、1つは全社的加重平均資本コスト、もう1つは各事業部の資本コストです。
ですので、それぞれについてIRRと比較していきます。
①全社的加重平均資本コストとの比較
H案 IRR 10%>全社的加重平均資本コスト 8%
L案 IRR 7%<全社的加重平均資本コスト 8%
→全社的加重平均資本コストと比較した場合、H案のみ採用
②各事業部の資本コストとの比較
H案 IRR 10%>H事業部の資本コスト 11%
L案 IRR 7%<L事業部の資本コスト 8%
→各事業部の資本コストと比較した場合、L案のみ採用
ここで注意したいのが、問題文には「この多角化企業は借り入れを行っていない」とありますので、負債も考慮する加重平均資本コストには影響を受けないと考えます。
ですので、②各事業部の資本コストとの比較のみで判断するため、L案のみ採用となります。
以上から、正解は選択肢ウとなります。
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