今日は、財務・会計の R4 第21問について解説します。
投資の評価基準に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 回収期間が短いほど、内部収益率は高くなる。
b 回収期間法では、回収後のキャッシュフローを無視している。
c 正味現在価値法では、投資によって生じる毎年のキャッシュフローの符号が複数回変化する場合、異なるいくつかの値が得られる場合がある。
d 内部収益率法を用いて相互排他的投資案を判定すると、企業価値の最大化をもたらさないことがある。
〔解答群〕
ア aとb
イ aとc
ウ bとc
エ bとd
オ cとd
解説
投資の評価基準に関する問題です。
投資判断のための評価⽅法については、まとめシートで以下の通り解説しています。
それでは選択肢をみていきましょう。
a:誤りです。回収期間法は回収期間後のキャッシュフローについて考慮していません。よって、回収期間後についても考えた場合、内部収益率が必ずしも高くなるとは限りません。
よって、この選択肢は×です。
b:その通りです。回収期間法は、投資を⾏ってから回収までの期間がどの程度かということを求めることによって、投資の安全性を判断するものです。回収期間を求め、それが投資期間もしくは、企業の内部であらかじめ決められた回収期間を下回れば投資を⾏うという判断をします。回収期間法による計算は算出過程が単純なためわかりやすいというメリットがありますが、時間的価値を考慮していないというデメリットもあります。
よって、この選択肢は〇です。
c:誤りです。このデメリットは、内部収益率法に当てはまるものですが、難易度が高い論点ですので一旦後回しにして次に進みましょう。
よって、この選択肢は×です。
d:その通りです。内部収益率法はNPV=0 となる割引率のことで、IRR 法はIRR を求め資本コストと⽐較を⾏い、IRR が資本コストより⼤きければ投資を⾏うという判断をします。IRRのデメリットとして、投資の規模を考慮に⼊れることができないため、10 万円の投資も1 億円の投資も同じ⼟俵で評価されてしまうという⽋点があります。よって企業価値の最大化をもたらさないことがあります。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正しい組み合わせはbとdですので、正解は選択肢エとなります。
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