【過去問解説(財務・会計)】R3 第12問 損益分岐点分析(CVP分析) 

今日は財務・会計のR3第12問について解説します。

R3 財務・会計 第12問

 損益分岐点分析に関する記述として、最も適切なものはどれか。

 

〔解答群〕

ア 安全余裕率は、損益分岐点比率の逆数である。
イ 損益分岐点売上高は、固定費を変動費率で除して求められる。
ウ 損益分岐点比率は小さいほど赤字になるリスクが低い。
エ 目標利益達成のための売上高は、損益分岐点売上高に目標利益を加算して求められる。

解説

損益分岐点分析(CVP分析)に関する問題です。

損益分岐点分析は、二次試験でも出題の多い論点です。一次試験では、損益分岐点分析について理解しているかどうかの知識を問われます。二次では、知識を使い算出し解答することが多い傾向にあります。
損益分岐点分析は、事業が赤字と黒字に分かれる分岐点(=損益分岐点)を算出することで、利益と販売数量、コストの関係性について分析を行う手法のことです。
損益分岐点分析に関する問題は、いくつかのパターンがあるため過去問を一通り抑えていると今回の問題は解きやすかったかと思います。

それでは早速各選択肢を見ていきましょう。

選択肢ア 安全余裕率は、下記の式で求めることができます。
(売上高 ー 損益分岐点売上高) ÷ 売上高 × 100 = 安全余裕率(%)
損益分岐点比率は、下記の式で求めることができます。
損益分岐点売上高 ÷ 売上高 × 100 = 損益分岐点比率(%)
以上から安全余裕率は、損益分岐点比率の逆数では無いことがわかります。
よって、この選択肢は×です。

選択肢イ  損益分岐点売上高は、下記の式で求めることができます。
固定費 ÷ (1 - 変動比率)= 損益分岐点売上高
つまり、固定費を変動費率で除して求めているわけではありません。
よって、この選択肢は×です。

選択肢ウ 損益分岐点比率(%)は小さいほど、赤字になるリスクが低くなります。
よって、この選択肢は〇です。

選択肢エ 目標利益達成のための売上高は、下記の式で求めることができます。
(固定費 + 利益) ÷ (1-変動比率) = 目標利益達成のための売上高
つまり、目標利益達成のための売上高は、損益分岐点売上高に目標利益を加算して求めるわけではありません。
よって、この選択肢は×です。

以上から正解は選択肢ウとなります。

 

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