今日は、財務・会計のH30 第7問 について解説します。
当社は企業向けのセミナーや研修を中心とした業務を営んでいる。決算にあたり以下の一連の取引に対し計上される収益および費用の金額の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
4 月 20 日 7 月開講予定のセミナー(全 10 回、50,000 円/回)の受講料総額500,000 円を現金で受け取った。
5 月 30 日 開講準備にあたり、全 10 回分のテキスト作成のため現金 250,000円を支出した。
12 月 31 日(決算日) 全 10 回のセミナーのうち 6 回が終了していた。
〔解答群〕
ア 収益:300,000 円 費用:150,000 円
イ 収益:300,000 円 費用:250,000 円
ウ 収益:500,000 円 費用:150,000 円
エ 収益:500,000 円 費用:250,000 円
解説
費用・収益の認識の原則に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。
P/L を作成するとき、費用と収益を認識するタイミングにはルールがあります。
費用に対しては、費用が発生した時点で認識する発生主義の考え方が適用されます。そして、発生した費用が収益に結び付けば当期の費用としてP/L に記載され、結びつかなければ経過勘定として計上しB/S に記載されます。
収益に対しては実際に収益が実現した時点で認識する実現主義の考え方が適用されます。実現した収益は、当期の収益としてP/L に記載されます。
収益:実現した時点で認識する実現主義が適用されます。決算時点では全10 回のセミナーのうち6 回が終了=実現、となるので
50万円×6/10回=30万円となります。
費用:費用が発生した時点で認識する発生主義が適用されます。よって、決算時点では全10 回のセミナーのうち6 回が終了=費用発生となりますので、25万円×6/10回=15万円
以上から、正しい組み合わせは収益:300,000 円 費用:150,000 円となり、
正解は選択肢アとなります。
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