【過去問解説(経済学)】R6 第8問 ビルトイン・スタビライザー

今日は、経済学のR6第8問について解説します。

 経済学 R6 第8問

財政の自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)としての機能が比較的強いと想定される税の仕組みとして、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 利潤に対して累進的に課せられる法人所得税

b 全ての人に同額が課せられる定額税

c 生活必需品に対して課せられる消費税

d 一定額までの所得には課税を免除する個人所得税

 

〔解答群〕

ア aとb

イ aとc

ウ aとd

エ bとc

オ bとd

解説

ビルトイン・スタビライザーに関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

累進課税や失業保険などの制度は、景気が良いときには⺠間から政府への所得移転が、景気が悪いときには政府から⺠間への所得移転が⾏われるような制度となっています。
このような制度を、⾃動的に景気の変動を抑え、経済を安定させる機能を持っているという意味で、ビルトインスタビライザー(built-in:あらかじめ組み込まれた stabilizer:安定化装置)といいます。

それでは選択肢をみていきましょう。

:その通りです。累進課税は利潤が高い人ほど税金を多く支払い、利潤が少ない人は税金を少なく支払うため、支払う人によって金額の差があり、有効需要の調整を通じて財政の自動安定化に貢献します。つまりビルトインスタビライザーの機能が働きます。

:誤りです。定額税は全ての人に同額が課せられるため、有効需要の調整はできずビルトインスタビライザーの機能は働きません。

:誤りです。消費税も支払う人によって金額の差がなく全ての人に同額が課せられるため、有効需要の調整はできずビルトインスタビライザーの機能は働きません。

:その通りです。一定額までの所得には課税を免除することで、支払う人によって金額の差が出るため、有効需要の調整を通じて財政の自動安定化に貢献します。つまりビルトインスタビライザーの機能が働きます。

以上から、a:正  b:誤  c:誤  d:正ですので
正解は選択肢ウとなります。

 

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