【過去問解説(経済学)】R6 第16問(設問1) 生産者余剰

今日は、経済学のR6第16問(設問1)について解説します。

 経済学 R6 第16問(設問1)

短期の完全競争市場下における価格と企業の生産との関係を考える。下図には、ある財の生産に関する限界費用曲線MC、平均費用曲線ACおよび平均可変費用曲線AVCが描かれており、価格が与えられると企業は最適生産を実現するものとする。ただしP1はACの最小値、P3はAVCの最小値に対応している。

この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

(設問1)

価格がPoのときの生産者余剰として、最も適切なものはどれか。

ア 四角形ABED

イ 四角形AOQoD

ウ 四角形BOQoE

エ 四角形PoADC

オ 四角形PoBEC

解説

生産者余剰に関する問題です。
まとめシートでは、以下の通り解説しています。

余剰とは、市場での取引によって得られる利益のことをいいます。余剰には市場による取引で⽣産者が得られる⽣産者余剰、消費者が得られる消費者余剰、政府が得られる政府余剰があります。

それでは、今回の問題にある⽣産者余剰について確認していきましょう。
生産者余剰は、供給者が取引によって得る利益のことで、収入から可変費用を引くことで求めることができます。可変費用は限界費用の合計と言い換えることもできます。限界費用は生産量を1つ増やすたびに追加される費用を言うため、可変費用(財務・会計で言うと変動費のイメージ)が対象になります。
固定費用(財務・会計で言うと固定費のイメージ)は取引が発生しなくても生じる費用であり、生産量が増えることで生じる費用ではないため、限界費用や生産者余剰の計算では考慮されません。
⽣産者の観点から⾒ると、供給曲線は例えば製品の価格がP2のとき、価格P2で売っても良いと思っている⽣産者はQ1分だけいるというように、⽣産者が最低限この値段なら売っても良いと考えている価格をグラフにしたものです。例えば、⽣産者が製品をQ1個作るのであれば最低限500円では売りたいと考えている場合について考えます。もし、実際の商品の価格P0が800円であれば、⽣産者は300円分だけ得をしている、つまり余剰が⽣じているといえます。(まとめシート「⽣産者余剰」のグレーの直⾓三⾓形の部分)

それでは選択肢をみていきましょう。

選択肢ア:誤りです。四角形ABEDは固定費用に該当します。

選択肢イ:誤りです。四角形AOQoDは費用の合計に該当します。

選択肢ウ:誤りです。四角形BOQoEは可変費用に該当します

選択肢エ:誤りです。生産者余剰は収入から可変表現(=限界費用の合計)を引くことで求められ、財務・会計で言うと限界利益のイメージになります。選択肢エの四角形PoADCは収入から費用合計を引いた利益(財務・会計で言うと純利益のイメージ)になるため、不適切となります。

選択肢オ:その通りです。生産者余剰は収入から可変表現(=限界費用の合計)を引くことで求められるため、四角形PoBECになります。

以上から、正解は選択肢オとなります。

 

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