今日は経済学のR2第22問について解説します。
夫婦による家事分担は重要である。会社員の太郎さんと主婦の花子さんには、夕方の家事に関して「協力する」「相手に任せる」という選択肢がある。
2 人がともに「協力する」場合、楽しく家事ができ、お互いの負担を大きく減らすことができるので、ともに 30 の利得が得られる。また、どちらか一方が「相手に任せる」場合は、任せた方は苦労がなく50の利得が得られるが、1人で家事を行う方は-30と大きい負担となる。さらに、お互いに「相手に任せる」場合は、結果として2人が嫌々家事をすることになるので、ともに-10となる。
下表は、以上の説明を、利得マトリックスにまとめたものである。マトリックスの左側が太郎さんの利得、右側が花子さんの利得である。下表に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア 太郎さんと花子さんには、共通の支配戦略がある。
イ 太郎さんと花子さんは、お互いに異なる戦略をとると利得が増加する。
ウ 太郎さんの最適反応は「相手に任せる」、花子さんの最適反応は「協力する」である。
エ ナッシュ均衡は、ともに「協力する」組み合わせである。
解説
今回はゲーム理論に関する基本的な問題です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢アは、その通りで太郎さんは花子さんがどちらの戦略を取っても「相手に任せる」戦略の方が利得が大きく、花子さんも太郎さんがどちらの戦略を取っても「相手に任せる」戦略の方が利得が大きくなり、太郎さん、花子さんともに支配戦略は「相手に任せる」ということになります。よって、この選択肢は〇です。
念のため残りの選択肢も見ていきましょう。
選択肢イ、ウは、上述の通り、太郎さん、花子さんともに「相手に任せる」戦略を取った方が利得が増加します。よって、これらの選択肢は×です。
選択肢エのナッシュ均衡は今回の場合、ともに「相手に任せる」組合せとなります。よって、これらの選択肢は×です。
以上を踏まえて選択肢を見ると、正解は選択肢アとなります。
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