今日は、経済学のR2 第10問について解説します。
貨幣供給に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
a 家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は大きくなる。
b 家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は小さくなる。
c 日本銀行による債券の売りオペレーションは、マネタリー・ベースを増加させる。
d 日本銀行による債券の買いオペレーションは、マネタリー・ベースを増加させる。
〔解答群〕
ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd
解説
貨幣供給に関留守問題です。
貨幣乗数とマネタリー・ベースについて、まとめシートでは以下の通りまとめています。
それでは選択肢をみていきましょう。
a:誤りです。貨幣乗数は、上の公式よりc+1/c+rで表せますので、現金・預金比率=cが大きくなると貨幣乗数は小さくなります。
よって、この選択肢は×です。
b:その通りです。選択肢アの説明より、家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は小さくなる。
よって、この選択肢は〇です。
c:誤りです。日銀が債券の売りオペレーションを実施する、ということは日銀の保有する国債などを市中銀行買いますので、市場にあったお金は日銀へと流れます。ですので、マネタリー・ベースを減少させます。
よって、この選択肢は×です。
d:その通りです。日銀が債券の買いオペレーションを実施する、ということは市中銀行などの債権を日銀が買った対価として、市場にお金が流れていく状態を表します。ですので、⽇銀が直接供給している貨幣=ハイパワードマネーは増加します。
よって、この選択肢は〇です。
以上から、正しい組み合わせはbとdですので、正解は選択肢エとなります。
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