【過去問解説(経済学)】H29 第7問 貨幣供給

今日は経済学のH29第7問について解説します。

H29 経済学 第7問

 2016年9月、日本銀行は金融緩和強化のための新しい枠組みとして「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入した。この枠組みでは、「消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する」こととされている。

マネタリーベースに関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a マネタリーベースは、金融部門から経済全体に供給される通貨の総量である。
b マネタリーベースは、日本銀行券発行高、貨幣流通高、日銀当座預金の合計である。
c 日本銀行による買いオペレーションの実施は、マネタリーベースを増加させる。
d 日本銀行によるドル買い・円売りの外国為替市場介入は、マネタリーベースを減少させる。

 

〔解答群〕

ア aとc
イ aとd
ウ bとc
エ bとd

解説

マネタリーベースに関する問題です。

それでは早速各項目について見ていきましょう。

aは、マネタリーベースとは日銀が直接供給している貨幣のことであり、金融部門から経済全体に供給される通貨の総量はマネーストック(マネーサプライ)となります。
よって、この選択肢は×です。

bは、マネタリーベースとは上述の通りであり、具体的には、紙幣である「日本銀行券発行高」と硬貨である「貨幣流通高」と「日銀当座預金」の合計となります。
よって、この選択肢は〇です。

cは、日本銀行による買いオペレーションの実施は、紙幣を発行して市場で国債などを買うことであり、マネタリーベースを増加させます。
よって、この選択肢は〇です。

dは、日本銀行によるドル買い・円売りの外国為替市場介入は、円を供給することになり、マネタリーベースを増加させます。
よって、この選択肢は×です。

以上から正解は選択肢ウとなります。

 

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