【過去問解説(法務)】H27 第3問(設問1,2)不公正な取引方法

今日は、経済学 H27 第3問(2)について解説します。

 経済学 H27 第3問(設問1,2)

以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと X 株式会社(以下「X 社」という。)
の代表取締役甲氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

甲 氏:「今度、当社で開発した新製品 a の販売を計画しています。そこで、卸売業者との間で締結する継続的な売買基本契約の内容を検討しています。ちょっと見てもらってもいいですか。売主が当社で、買主が卸売業者になります。」
あなた:「分かりました。あれ、「買主は、売主が指定した価格で商品を小売業者に転売するものとする。」という条項が定められていますね。」
甲 氏:「何か問題がありますか。」
あなた:「こうした条項を定めることは、[ A ] のうちの再販売価格の拘束に当たり、独占禁止法上、原則として違法となるとされていたはずです。」
甲 氏:「そうなんですか。」
あなた:「ええ。他にも、卸売業者に対して、a と競合する商品の購入を禁止したり、X 社が事前に同意していない小売業者への転売を禁止したりすると、[ A ] に該当する可能性があります。」
甲 氏:「知りませんでした。 [ A ] に該当するとどのような処分を受けるのですか。」
あなた:「例えば、公正取引委員会から[ B ] を受ける場合があります。ただ、[ A ]  に該当する可能性のある条項でも場合によっては定めることができたと思います。詳しいことは弁護士の先生に相談してみてはどうでしょうか。」

(設問1)
会話の中の空欄Aに入る語句として最も適切なものはどれか。
ア 抱き合わせ販売
イ 不公正な取引方法
ウ 不当な取引制限
エ 優越的地位の濫用

(設問 2)
会話の中の空欄Bに入る語句として、最も不適切なものはどれか
ア 課徴金納付命令
イ 警告
ウ 排除措置命令
エ 罰金刑

 

解説

不公正な取引方法に関する問題です。
まとめシートで以下の通り解説しています。

それでは選択肢をみていきましょう。

(設問1)
会話Aには、「不公正な取引⽅法」が入ります。
不公正な取引⽅法には、共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販価格の拘束、優越的地位の濫⽤の5つの類型があり、これらが課徴⾦の対象となります。
知らなければ解けない問題なので、ここで覚えてしまってもよいですが、ピンポイントの知識ですので少し優先順位は下げても良いです。

以上から、正解は選択肢イとなります。

(設問2)
最も不適切なものを選ぶ問題です。

不当な取引制限が⾏われた場合は、公正取引委員会がそれらを⽌めさせるために、違反する⾏為を排除するべく必要な措置を命ずる排除措置命令や、課徴⾦を納付するよう命ずる課徴⾦納付命令を⾏うことができます。
課徴⾦納付命令については、不正な取引制限を⾏っている事業者⾃らが、公正取引委員会に報告した場合、課徴⾦を免除または減額してもらえる課徴⾦減免制度という制度があります。

尚、選択肢エの「罰金刑」は刑罰であるため、裁判所が下す判断であり、公正取引委員会ではありません。

以上から、最も不適切なものを選ぶ問題ですので
正解は選択肢エとなります。

 

 

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